日常編大魔闘演武後
贈り物
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も女の子かもしれないっては思わないの?」
隣を歩いているウェンディの声が妙に怒っているように聞こえる。彼女の顔色を伺おうとそちらを見ると、笑顔であるが・・・真っ黒な笑顔を見せているウェンディが目に入った。
「いや!!このくらいの年齢になれば少しくらいはあるじゃん!!ウェンディだってあるし!!だからそのグーに握っている手を一回下ろそうか!?」
いつ殴られてもおかしくない位置までウェンディの右の拳が上がっていたのでなんとか説得して下ろしてもらう。それでもウェンディは怒っているようにそっぽを向いて頬を膨らませていた。
「私だっていずれは・・・」
ドラゴンとの戦いの時もあった独り言タイム。最近多いような気がするけど、何か思い詰めるようなことでもあったのだろうか?
「街のみんなにいいもん見せてやるぞぉ」
一番前を歩いていたナツさんが急に立ち止まると、背負っていたリュックを地面に下ろし、ゴソゴソと中から何かを取り出そうとしている。
「なんだろう・・・すごく嫌な予感がする・・・」
「私も・・・」
ナツさんが何を取り出そうとしているのかはイマイチわかっていない。だけど、なんだか悪い予感がする。不安そうに彼が取り出すものを俺はウェンディはじっと見ていると、彼はとんでもないものを取り出した。
「じゃ〜ん!!」
それはなんと、パーティーでナツさんが王様から奪い取っていた王冠だった。
「国王の冠!?」
「取って来ちゃったんですか!?」
「いつの間に!?」
ワカバさんもマカオさんもまさかの出来事に顔面蒼白。ウェンディもさっきまでの怒っていた態度から一変し、ナツさんの破天荒ぶりに目を固まってしまう。
「あ、これじゃねぇや」
「取って来ちゃったんですか・・・?」
慌てる俺たちをよそにナツさんは冷静にリュックの中に王冠を戻すと、再び中から何かを探して持ち上げる。
「優勝の証!!国王杯!!」
それは閉会式で渡された、大魔闘演武優勝の記念品であるカップであった。
「信じらんねぇよ」
「俺たちが優勝だぜ」
「ずっと最下位だった俺たちが」
「「優勝したんだ!!」」
「「わ〜いわ〜い!!」」
その証を見て優勝した時の記憶が甦ってきたドロイさんたちは目に涙を浮かべて喜んでいる。七年間俺たちがいなかったことでかなり大変だったことはわかっているし、本当に優勝できてよかったと思う。
「ほらロメオ!!もっと高く上げろ!!」
「おう!!」
ナツさんはロメオを肩車して、彼に国王杯を高々と掲げさせる。それを見て住民たちはさらなる盛り上がりを見せていた。
「グレイ様」
盛り上がるナツさんたちを見てもいまだに笑顔を一切見せないグレイさん。そんな彼を心配したジュビアさ
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