日常編大魔闘演武後
贈り物
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笑いを必死に堪えていた。
「ねぇねぇ!!どっちなの!?」
「私も気になる!!」
「僕も僕も!!」
その質問をした少年は目をキラキラと輝かせながら俺が答えるのを待っており、それに乗じて近くにいる子供たちも俺が答えるのを待っている。
「えっと・・・」
あまりにも笑顔が輝きすぎていて、正直本当のことを言っていいのか迷ってしまう自分がいる。でもウソをつくのはもっと悪いし、なんか両刀論な感じ・・・
「本当のこといってあげなよ」
「信じるかは別だけどね」
「捉え方はあの子達次第〜」
俺が困っているのを見かねたウェンディとシャルルたちが手助けしてくれる。まぁ確かに、本当のことを言わないと後々面倒ごとになるだろうし、俺自身のためにもならないしな。
「俺は普通にお兄ちゃんだよ」
意を消して質問してきた子供にそう言う。すると、少年はこの上ないほどのビックリした顔をしてみせる。
「本当!?証拠は!?」
「えっ!?」
なんと答えただけでは納得するつもりはないらしい。彼は俺が本当に男だという証明を求めてきた。
でも証拠って・・・身分証明書でも見せろということなのだろうか?だけど、そんなの見たことないし持ったこともない・・・じゃあ一体どうすれば・・・
「あっ!!」
しばらく頭を悩ませていると、一つ名案を思い付いた。俺は証拠を待ち続けている少年の手を取ると、自分の胸へと持っていく。
「ほら。男だから胸がないでしょ?」
俺は年齢的にはシェリアやソフィアと限りなく近い年齢だ。二人はまだ成長しきっているようではないけど、そこそこ女性らしい体つきをしている。それに、俺より年下のウェンディも控えめだけどあることはある。男の俺はそんなものは出てくるはずがないから、こうやって確認させればいいんだよ。
「あ・・・はい・・・」
俺の行動でようやく理解してくれた様子の少年の手を離す。すると少年は、次第に顔を赤らめながら、顔をうつむかせてもらった。
「その・・・ありがとうございました/////」
「どういたしまして」
なぜか目を合わせようとしない彼に手を振りながら凱旋の続きへと戻っていく俺たち。俺たちが目の前からいなくなったのと同じくらいのタイミングで、なんだか少年がいた場所が騒がしくなっているけど、どうしたのかな?
「シリル〜・・・」
「あんた・・・」
後ろからセシリーとシャルルが俺のことを呼ぶのでそちらに視線を向ける。二人は何やら呆れたような顔で頭を押さえていた。
「「バカね(だね)」」
「何!?」
二人の声がきれいに被さる。だけど、俺はそんなことを言われる理由がさっぱりわからない。俺が一体何をしたっていうんだ!?
「シリル。お胸がなくて
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