日常編大魔闘演武後
贈り物
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。だが、彼は一言それだけ答えると、彼女に視線を向けようとしない。それを見て何かを感じ取ったジュビアさんは、彼同様に浮かない顔をしていた。
「ルーシィ!!よくやったね!!」
そんな彼らとは真逆に、住民たちの中から一人のおばあさんがルーシィさんに声をかける。
「大屋さん!!」
その人はルーシィさんの住んでいる家の大屋さんだったらしい。彼女の声に気付いたルーシィさんはその前で足を止めると、褒めてもらえると思い手を振っている。
「だけど、家賃の話は別!!」
しかし返ってきたのはまさしく現金な話。それを聞いた周囲の人々は腹を抱えて大笑いし、頭の痛いお話にルーシィさんはガッカリとため息をついている。
「エルザさん!!伏魔殿最高でしたよ!!」
「いやカグラ戦だろ!?」
「ミネルバ戦だよ!!」
ルーシィさんとは反対側の住民たちからは、この大魔闘演武でMVPを獲得したエルザさんの、どの戦いがもっとも輝いていたのかの話になっており、皆さん激しく口論していた。
「照れるものだな」
「皆見てたんだね」
その渦中の人物は頬を赤らめ、どこか嬉しそうな表情をしている。エルザさんでも照れたりするものなんだ。意外な一面発見かもしれない。
「シリルお兄ちゃん!!」
「ウェンディお姉ちゃん!!」
すると、俺とウェンディのことを呼ぶ声が聞こえてそちらへと視線を向ける。そこには、俺たちよりもまだ幼い子供たちがいた。
「握手して〜!!」
「私も!!」
「僕も!!」
そういって次々と俺たちの前に手を差し出す少年少女たち。俺たちは驚いて顔を見合わせた後、嬉しくて笑顔になり、その手を握り返していく。
「ねぇねぇ!!前から聞きたかったんだけどさぁ」
「ん?」
そんな中、最後の一人となった少年が目を輝かせながら俺の顔を見る。俺は何が聞きたいのかと聞いてみるとその少年は・・・
「シリルお兄ちゃんって本当に男なの?」
とんでもない質問をぶちかましてきた。
「プッ」
「ぶはっ!!」
その質問が俺に向けられたのとほぼ同じタイミングで後ろから笑いを吹き出した音が聞こえてくる。
「カナさん!!ラクサスさん!!笑い事じゃないですよ!!」
吹き出していたのはカナさんとラクサスさん。カナさんはお酒の瓶を持っていない方の手で口元を押さえてプルプルと震えており、ラクサスさんは適当な感じで謝罪しつつも、懸命に笑いを押さえているのが見て取れる。
「あんた・・・小さい子にもそんな風に見られるのね」
「さすがシリル〜!!」
俺とウェンディのすぐ隣に立っていたシャルルとセシリー。彼女たちもこの質問はあまりにも予想外だったようで、顔をひきつらせながら漏れ出そうになる
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