第16話 赤き死棘の槍
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み通り、彼の血斧王は自身の象徴たる宝具にどす黒いオーラを纏わせて掲げながら突っ込んできた。
「ガッァアアアアアアアアアアアア!!」
士郎の持つ赤い魔槍に警戒したのだろう、それに宝具の真名解放で対抗しようと命令された様だ。
両者の距離は10メートルと離れていない。
しかし士郎は躱そうとせずに、宝具の解放に至る。
「刺し穿つ――――」
「血塗れの――――」
両者の宝具に纏うようなオーラがさらに煌めく、或いは轟く。
エイリーク・ブラッドアックスは、己が剛腕に任せて士郎を叩き切り殺そうと。
士郎は、新たな誓い――――この手で届く者だけでも守り切る信念を、そしてそれを阻む敵を貫こうと。
両者は力を完了させる。
「――――死棘の槍!!」
「――――戴冠式!!」
黒赤き力と赫き力が正面から衝突する。
その衝撃で周りの草は千切れ飛び、大気は悲鳴を上げ、木々は倒れるモノ何とか凌ぐモノと様々だが、中心である両者は微塵も衝撃の煽りなど気にせず今もぶつけ合っていた。
エイリーク・ブラッドアックスは英霊としてのステータスがあるが士郎は違う。
しかし今現在の士郎の基礎身体能力はマスタークラス内でも上位であり、さらに気や魔術で強化すれば凌げない筈がなかった。
その両者を第3者的な立場から見ていたグンヒルドはほくそ笑む。
何故あの魔術師彼の光の御子の魔槍を持ち、さらには使えるかは知らないが、生前は魔術師だからこそ知っている。
あの魔槍の本領は、標的の心臓を突き貫くと言う因果律を操作する呪詛染みた概念武装がある。
であれば、一見両者の力が拮抗していても、エイリーク・ブラッドアックスの心臓は貫かれる定めになる。
本来であれば夫を殺そうとする敵に憎悪するモノだが、それ以上に自分や夫を駒のように使い強制するガイアからの解放を望んでいる彼女からすれば、あの魔術師こそ救い人と言えた。
そこへ、忌々しいガイアからの命令で因果律を何とかする様に解呪を迫られて、無理矢理妖術を行使させられるがグンヒルドはガイアを嘲笑う。
確かに自分が優秀な魔術師である自覚はあるが、刺し穿つ死棘の槍の因果律の解呪など出来る筈がない。
アレに対抗するには、最低でもトップクラスの直感や幸運でも無ければ防げないからだ。
そして事態は結果に至る。
「ゴォオオオオオ、ガグッ!?」
相手の魔槍は自分の宝具とぶつかり合っていた筈なのに、何時の間にか自分の心臓に正しく貫かれていた。
これによりエイリークが消滅するかと思いきや、そうではなかった。
「・・・・・・血、|血血血血血血血血《ぢぢぢぢぢぢ
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