第16話 赤き死棘の槍
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な恩恵があるか判らないが、終わらせに行こ、うっ!?」
決意して立ち上がろうとした処で、士郎は立ち眩みを感じた。
原因は今も意識を失っている百代だ。
簡易的パスから士郎の魔力を貪欲に吸い取る様に、遠慮容赦なしにしてきたのだ。
それだけこの武神の生への執着力が強いか、はたまた別の理由かは判らないが、戦闘中にこれだけ奪われて行くのは士郎にとって厄介なモノである。
「気絶したままなのに・・・・・・容赦ないな、川神」
寝ている百代に無駄と知りながら皮肉を言う。
士郎の今の魔力量は以前よりも遥かに超えている。
理由が何なのかは判らないが、少なくとも魔術の第二の師匠兼戦友であった遠坂凛よりも上である士郎の魔力量をもってしても立ち眩みを覚えさせるほどの貪欲さだと言うのだから、士郎の現在の危機的状況は推して知るべきだろう。
ステータスはそこまで高くないであろうが敵は英霊。
そして百代からはどんどん魔力を吸収されて行く現状ではあるが、危機的状況などこの世界に来てからまだ一度も来なかっただけで、追い込まれている事など昔の士郎にとっては日常茶飯事だった。
随分と久々に現状に士郎は苦笑しながら立ち上がる。
その一番の原因が百代だと言うのだから、苦々しくとも笑うしかなかった。
「魔力も減っていく。敵も健在。――――ならば、アイツ自慢の武器に頼ろう。アレなら障壁も突破できるだろう。効くかどうかは賭けだがな・・・・・・投影、開始」
投影で右手には赤き魔槍、左手のは三本の黒鍵を造りだす。
そして瞬時に迂回してからバーサーカーの前にでる。
迂回しないと、士郎では無く自分が出てきた茂みに行きかねないからだ。
「血、血、血、血!血血血血血血血血血血、血ヲ寄コ――――」
「うる、さい!」
獲物が漸く姿を現したことに興奮したバーサーカーが突進してこようとした処で、三本の黒鍵を投擲する。
それにグンヒルドは反応して障壁を張る。
勿論防がれるのは承知の上で爆発させる。
「壊れる幻想」
内包されていた神秘の爆発を以て、障壁に叩き付ける。
これはあくまでも時間稼ぎ、本命は赤き魔槍の投擲と同時の真名解放にある。
士郎は即座に投擲姿勢を作る。
「経験憑依」
何故ならばバーサーカー――――エイリーク・ブラッドアックスは、直にこちらに向かって突進してくるであろうことは読めていたからだ。
士郎は既に斧を解析して英霊の真名を突き止めていた。
しかし彼の英霊は綺羅星の如く輝く大英雄と言うほどメジャーでは無い為、文献も少なく、他に宝具があるのかスキルの詳細など含めて分からないから賭けだと称したのだ。
そして士郎の読
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