第16話 赤き死棘の槍
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そして――――。
「壊れる幻想」
「ゴァアアアアアアアアアアァアアアア!!?」
士郎の詠唱により、バーサーカーの周りに浮かんでいた無銘の剣たちは一斉に爆発した。
勿論バーサーカーはモロに喰らう羽目になった。
−Interlude−
士郎は今バーサーカーから離れて、茂みに隠れていた。
勿論理由は百代の容態を視るためだ。
(予断は許されないが、最悪は回避されたか)
百代の傷跡は本来であれば致命傷だが、重症程度の怪我の範疇で収まっていた。
百代は無意識的に瞬間回復を二十八回瞬間的に連続で行い、自らの命をつなぎとめたのだ。
しかし百代には神秘・魔術耐性が無く、瞬間回復をすべて使い切ったにも拘らず重症と言う傷に留まっていた。
しかも傷は留まるどころか、地味にさらに広がりつつある。
勿論、魔術使いである士郎には対処可能な領域だ。
とは言え、背に腹は代えられぬ苦肉の策でもある。主観的には。
「緊急時とは言え、悪い川神・・・・・・ん」
自分の唇を噛んで血を出し、百代の唇に押し付けて血を飲ませた。
苦肉の策と言うのは百代の唇を奪う事に他ならない。
地を飲ませ口付けする事により、もって約一日程度の簡易的なパスを繋げた。
これで士郎から百代に魔力を供給する事により、バーサーカーの攻撃により体を蝕んでいる原因を緩やかに排除していく。
「あとはこれだ」
投影で造った剣の形をした魔術礼装。
簡易的な認識阻害・治癒効果を齎すモノだ。
これを百代の手に握らせることで、彼女にそれらの効果を向ける。
これで取りあえずは大丈夫だろうと士郎は息をつくも、遠くからバーサーカーの唸り声が聞こえる。
「やはりか・・・!」
士郎は爆発させた煙に紛れて離脱する時に見えていたのだ。
煙の中で障壁らしい青白い光の壁に覆われているバーサーカーを。
全方位では無いだろうから、最低でも5割はダメージを貰っているはずだ。
とは言え、緊急だったものだからあの爆発させた剣群はどれもこれもが無銘の剣の中でも最低ランクで、勿論宝具なんて一つも無い。
特殊な祝福や恩恵の宝具やスキルでもない限り、無事では済まないだろうが同時にアレで倒せるとも期待はしていなかった。
「っ!?――――遂にしびれを切らしたか・・・!」
気配を感じずとも気付けた。
バーサーカーが二度目の宝具を解放し、自分の周囲を焼き払ったのだ。
アレを続けさせたらこの山の草木が丸坊主になるのは勿論、俺も認識阻害による恩恵と同時進行で治癒し続けている百代も、いずれは見つかるのは確実だ。
「隠れ続ける気など無い。どの様
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