第16話 赤き死棘の槍
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、想定通り百代の攻撃はすり抜けた。
神秘を込められない攻撃や魔力を持たぬ者の攻撃は、どれだけ身体能力や火力が英霊達と勝るとも劣らない川神百代だとしても魔力を纏っていない以上、当てることが出来ないのだ。
逆に、英霊は自身の意思で魔力を纏っていない物や人に触り当たることが出来る。
ただし、バーサーカー出なければだが。
このバーサーカー――――エイリーク・ブラッドアックスは、行動を第3者に強制させられているので、すり抜ける事は勿論、攻撃を当てる事も出来るのだ。
「やばい!」
士郎は即座に投影した黒鍵を投擲する。
今も直すり抜けている事に、百代は呆然としているので大きな隙が出来ていた。
それをバーサーカーが逃す筈も無く、殺気が籠った己が宝具を振り降ろす。
「オォオオオオオオオ!」
途中、士郎の投擲した黒鍵の切っ先が斧に直撃するが、今のバーサーカーの剛腕による振り下ろしに大した効果はなく、衝突した時の金属音が空しく鳴り響くだけに終わった。
そんな士郎に心配されている百代と言えば、確かに眼前に斧が迫ってきているが自分の身体能力の最高速度を出せば躱せるのだが、彼女は興味心を優先した。
自分の周囲や目の前のコスプレイヤーからは、依然感じていた未知をハッキリと感じ取れていた。
それに、瞬間回復を二十八回も使える自分だ。
一回くらい喰らっても大丈夫だと高を括り、未知の力を自分の肌で感じ取りたいと言う好奇心を抑えられなかった。
そして――――。
「ぐ、がぁああああ――――!!?」
(こ、これは何だ?体の内側から侵されるような痛みは!?)
バーサーカーの斧は、見事に百代の右からから振り下ろす様に鳩尾部分まで引き裂いた。
興味半分で受けた百代は、今まで感じた事も無い別種の激痛に耐えかねて、意識のブレーカーを手放してこと切れたように倒れ込んだ。
「血ガ足ラナイゾォオオオオオオオオ!!」
しかし、まだ殺しきっていない事に不満なのかバーサーカーは倒れている百代目掛けて再度宝具である斧を振り降ろす。
勿論、そんな事をこの男が許す筈も無かった。
縮地により、瞬間的に倒れた百代を抱える様にバーサーカーの目の前に現れた士郎は、斧を躱した上でバーサーカーの顔面に蹴りを入れた。
「らっ!」
「ゴ、オォオオオオオオオオ!!」
バーサーカーの方は蹴りを入れられたくらいで怯む筈も無く、自分の顔面を蹴ったついでに距離を取った士郎に追撃しようと突っ込もうとする。
だがそこでバーサーカー――――では無く、エイリークをガイアによって強制させられているグンヒルドが気が付いた。
何時の間にかバーサーカーの周りには、無数の剣が浮かんでいた事に
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