7部分:第七章
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アの中でね」
そうしたというのだ。蜘蛛を食べたというのだ。
「そうしてね。それでね」
「蜘蛛の味がチョコレートだってわかったんですか」
「何でも食べられるんだよ」
日本人はにこりと笑って二人に話した。
「虫でも何でもね。だから虫の形をしたお菓子もね」
「こうして美味い」
「そういうことですか」
「外見で判断しちゃいけないけれど外見は確かにインパクトがあるんだよ」
相反する二つのものがあるというのだ。
「そういうことなんだよ」
「そうなのか。ううん、それを考えたら」
「虫のお菓子もですね」
「ああ、普通の感じになるな」
「そう思えてきましたね」
クラークとエミーはそれぞれ菓子を食べながら顔を見合わせて話す。そうしてだ。
二人でだ。こうも言い合ったのである。
「じゃあこれからもな」
「はい、そういった一見突拍子もないけれど美味しい動物の形をしたお菓子を作って」
「皆を喜ばせてやろうぜ」
「大儲けしましょう」
資本主義の話も入るがそれでもだった。二人は笑顔で言い合った。
そしてそれを見る日本人もだ。その二人に笑顔で言ってきた。
「頑張りなよ。私も頑張るからさ」
「ああ、こっちはこっちでやるからな」
「頑張って下さいね」
三人は笑顔で言い合う。そうしてその一見風変わりな菓子を食べて楽しむのだった。それは確かに美味かった。外見がそういったものであるからこそ余計に。
おたまじゃくし 完
2012・3・26
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