暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
宝探し
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酬というほどでもないのですが」と前置きすると、今だ跪いたまま微動だにしない男を指さした。
「まず一つ目ですが、彼の身柄をこちらで預からせて頂きたい。」
「?彼ですか。まあ、こちらとしてはもう必要ありませんが・・・。しかしなぜ?」
クロムウェルは訝しげながらも了承した。
疑問に思うのは無理もない。彼は偽りの命を吹き込まれたいわば人形なのだ。それを引き取ってどうするというのか。
すると先生は片目を閉じながらニヤリと笑ってみせた。
「何、これはいずれ役に立ちますよ。何せ彼はトリステインの・・・」
そこまで言われてクロムウェルも察した。そして目の前の男同様ニヤリと笑ってみせる。
「ククク、なるほどぉ。先生も中々面白いことを考えますな。」
「フフフ。」
「して一つ目、ということは他にも何か?」
「ええまあ。もう一件引き取りたいことがあるのでその提供とそれを運ぶための人員を少々お借りできないかと。」
わざわざ『引き取る』という言い方をするということはこちらもクロムウェルにとって要らないものなのだろうか。
「一体何を・・・。」
「実は・・・」
「まったく、あの男の考えていることはよく分からん。」
先生が帰っていった後、一人になった部屋でクロムウェルは呟いた。
いかに奇怪な人物でも彼の背後には
あの大国
(
・・・・
)
があるのだ。あまり無下にはできない。まあアンドバリの指輪を奪取するのに協力してもらったのも事実であるわけだし。
「しかしあんなものをどうするというのだ。」
“此度の反乱によって生じた死体を敵味方問わず全て回収し持ち帰りたい”などと・・・
コンコン
「失礼致します、クロムウェル様。」
「何だね。」
「こちらを。」
入ってきた部下に手渡されたのは一枚の手紙だった。「ご苦労」と部下を下がらせ手紙の中身を見てみる。
『我ら、トリステインの侵入に成功』
たった一文だけであった。しかし命じた本人のクロムウェルは誰からのものかはすぐに分かった。
「フフフフフ、良いぞ!全てが順調だ!世界は私のために回っている!フハハハハハハハ!!!」
薄暗い部屋でクロムウェルは再び高笑いをするのであった。
「う〜ん、あれ今何時よ・・・?」
日がすっかり高く昇った頃、ようやくルイズが目を覚ました。
何だか深く眠っていたような気がするが・・・。
ぼんやりと時計を見やったルイズだったが、直後ガバリと跳ね起きた。
「ってもう昼じゃない!?カケルってば何してるのよ!?っていうかいないし!!」
いつもなら起こしてくれるはずの彼の姿は
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