暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
宝探し
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ところで邪魔をされないように後3時間ほどは目を覚まさないようにしてある。

「ホント協力ありがとね、タバサ!」
「・・・べつに。」

 と、キュルケは魔法をかけた張本人のタバサに礼を言う。背後から抱き着かれたタバサはやはり無表情で答えた。

「しかしホントに大丈夫かい?ばれたらきっと、怒られるどころじゃないと思うんだけど・・・。」

 心配そうな声を出すのはギーシュだった。もしお宝が宝石の類であれば、彼の使い魔の力が必要になると、今回の一行に参加させられたのだ。
 ギーシュの言葉に「ま、そん時はそん時よ。」と適当に返す。

 こうして、架やキュルケたちをはじめとした4人はシルフィードに乗って学院を出発したのであった。












 天空に浮かぶアルビオン王国。
 現在は王家であるテューダー家はレコン・キスタによる反乱によって滅ぼされ、神聖アルビオンを名乗っている。

「フ、フフフフ、素晴らしい!」

 王城のとある一室で、レコン・キスタの指導者、クロムウェルは自身の指に付けている指輪を掲げながら高笑いをしていた。

「これが、これが『アンドバリの指輪』の力か!フハハハハ!全く持って素晴らしい!!」

 指輪の名はアンドバリ。
 以前ラグドリアンと呼ばれる湖から奪った代物である。人の意識を奪い、こちらの思いのままに操れる力が宿っているが、実はもう一つ効果があり今日はそれを試したのだった。
 結果は成功。ものを言わない死体が指輪を翳すとムクリと起き上がり、こちらに跪いたのである。

 これを目の当たりにしたクロムウェルは、傍らにいたもう一人の人物に振り向いた。

「ご覧いただけましたでしょうか、『先生』!!」
「ええ、本当に見事なものです。」

 『先生』と呼ばれたのは、白衣を着た青年であった。肩まで届きそうな金髪に眼鏡をかけている。クロムウェルに微笑みながら返事をする様子はいかにも好青年といった印象だ。
 ただ唯一、額に刻まれているルーンが、この男が普通の人間ではないことを物語っていた。

「まったく、あの時はこれを奪うのに協力していただき感謝いたしますぞ。」
「いえいえ。私もトリステインに伝わる秘宝の力を拝見してみたかったので。・・・それでクロムウェル殿。以前から申しあげていたその協力の報酬についてなのですが。」
「おお、そうでしたな!私としたことが失念していた。どうぞ、私に用意できるものでしたら何なりと。」

 先生の言葉にクロムウェル思い出したように声をあげ、胸に手を添えながらこちらに恭しく頭を下げた。
 仮にも組織のトップが先生と呼びここまで謙るのだから、この男もしくはこの男のバックは相当なものであることが窺える。
 一方先生は「いえ、報
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