暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
宝探し
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の心が今までとは違う反応を示したことにアンリエッタは気付いた。

 ――――新しい、想い人?

『だから・・・今はいいんですよ、我慢しなくても。』

 不意に浮かび上がったのは一人の少年の姿であった。
 自分の最も信頼している友であるルイズの傍らにいる少年。最初出会った時は自分に反発してきたりもした。だが、次に会った時はいま母がやってくれているように優しく抱きしめてくれた。

『貴女は王女である前に、一人の女の子なのですから・・・。』

――――ドクンッ

 その温もりを思い出すと、何故だか頬が熱くなるのを感じた。
 何でだろう。
 自分はウェールズのことを今なお愛しているはずなのに・・・。
 でも、

「(もう一度、あの声が聴きたい・・・。)」

 カゲサワ・カケル

 その真意がどうあれ、アンリエッタにとって彼は特別な存在になりつつあった。




「(あらあら。)」

マリアンヌは娘のその様子を見て苦笑した。
先程の自分の言葉を聞いて以来ずっと上の空である。

「(これは私が口にするまでもなかったようですね。)」

ならばしばし見守っていこう。一国の王族として、そして一人の愛しい娘として。

この子がどのような選択をし、進んで行くのかを。


「(でもウェールズ皇太子ほど心を許す相手っていうのも気になるわね。今度この子に密偵でもつけてみようかしら。後はその人の素性を根掘り葉掘り調べ上げさせて、それから・・・)」

さすが王妃。職権乱用もレベルが違う。














「宝探し?」
「そう、そうなのよ!」

 あくる日の朝、いつものようにルイズが寝ている間に洗濯をするため外に出ていた架の元にやって来たのはキュルケだった。
 用向きというのは架の言葉から分かるとおり、宝探しに行かないかという誘いだった。

「なぜまたそんな急に?」
「ほらこれ見て!前に城下町に行ったときに手に入れたのよ。」

 と、キュルケが見せたのは数枚の地図であった。生憎この世界の地理に疎くしかも文字が読めない架だったが、どうにか何かを示す地図だということは分かった。

「カケルってば、まだこの国のことあまり知らないでしょ?だから観光しながらついでにお宝を探すってのも面白いかな〜と思ったわけ。」
「ふむ・・・。」

 キュルケの話は、架にとって魅力がないわけではなかった。
 幼い頃、衛宮切嗣に助けられた彼はその後いろいろな場所に連れて行ってもらった。あの時に得た未知との遭遇による高揚感は、今でも鮮明に覚えている。あの高揚感をもう一度ここで味わえる、それは魅力的といえば魅力的であった。
 しばしの間悩んだ架だが、しかし首を横
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