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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
宝探し
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「では、認めるのですね。」
「はい・・・。」
トリステインの王都、トリスタニア。そこにそびえる王城の庭園で二人の女性がお茶会をしていた。
一人はトリステインの王女、アンリエッタ。そしてもう一人はトリステインの大后のマリアンヌである。元国王の妻であったが、崩御してからも女王になることはなく、王妃という身分に座り続けている。
お茶会と言ってもその話の内容は決して軽いものではない。マリアンヌの真剣な、そしてアンリエッタの沈んだ表情を見ればそれは容易に察せられる。
その内容とは、ウェールズ皇太子との関係、そして数日前にアンリエッタの独断で魔法学院の生徒数名をアルビオンに向かわせたことである。
「・・・先ほど、ゲルマニアから使者が来ました。今回の婚約はなかったことにすると。」
「申しわけ、ありません・・・!」
マリアンヌの言葉を聞いたアンリエッタは、より一層顔を暗くし頭を下げた。
今回のゲルマニアの政略結婚は、アルビオンに対抗するための重要な国事であり、それがダメになったということはもはや国家レベルの大問題である。
更にはアンリエッタの極秘任務の件も厄介だった。いや、任務自体は彼女が国を想っての事とも捉えられるのでまだ良い。だが誰にも相談せず、それもこれからの国を担うであろう貴族の子どもたちを利用したというのはマズかった。現に貴族の中にはアンリエッタの行為に異議を申し立てている者も少なからずいる。
「私の軽率な行いで…全ては私の責任です。どのような罰も受け入れ―――」
「アンリエッタ。」
マリアンヌのやや強めの口調がアンリエッタの言葉を打ち切った。ついビクリと肩を震わせる。どんな罰も受け入れる、その言葉と覚悟に嘘偽りはなかったがやはり恐いものは恐かった。
だが、
「顔をお上げなさい。」
次に彼女にかけられた言葉はひどく穏やかだった。恐る恐る顔を上げると、そこには口調通り優しく微笑むマリアンヌの姿があった。
「貴女はもう十分な罰を受けているではありませんか。」
「っ!」
―――――ウェールズという恋人の死。
その悲劇は、アンリエッタに深い苦しみを与えた。
スッと椅子から立ち上がりマリアンヌはアンリエッタの後ろにまわる。そしてフワリと優しく彼女を抱きしめた。
「過ぎたことにあれこれ言っても仕方ありません。全ては運命と受け入れましょう。」
「おかあ、さま・・・!」
耳元で囁くその声は太后と王女という身分を忘れた、母親のそれそのものであった。そしてアンリエッタもまた、娘として泣きつくのであった。
「だからアンリエッタ。あなたは新しい想い人を見つけなさい。」
「え?」
――――ドキリ
母からの言葉に、自身
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