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幻のIS小説のプロットの更なる続き。
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れる。
 突然の事態に身の危険を感じた二人だったが、ややあって誰かの指示を受けた黒服は二人を解放し、真人の入った家へ案内を始める。そこで二人はやっと真実を知る。この家は、真人の両親が現在住んでいる場所で、黒服はシークレットサービスだったのだ。

 真人はアホ二人に呆れ顔だったが、シークレットサービスとの会話を聞いた両親が「二人に会いたい」と言い出したために仕方なく迎え入れてやったという。短いながら家族の会話を終えていると告げた真人は数か月ぶりに自室(引っ越しをしたために自殺未遂した部屋ではない)に荷物の整理に生き、両親と二人が残される。

 真人の両親は、真人とは似ても似つかないほど善良な夫婦だった。歳は50ほどだろうか、どうしても子宝に恵まれなかった二人は当時孤児だった真人を里親制度で引き取った経緯がある。その事を知った二人は、真人が孤児であることを初めて知って衝撃を受ける。
 更に、真人は父には捨てられ、母親から酷い虐待を受けて育児放棄されたこと……孤児院から中学時代までずっと誰かに差別され、いじめられ続けていたこと……さらに自殺未遂の事を知る。里親ときちんとした信頼関係を築けたのもつい数年前で、それまでは口も碌にきかなかったという。「優しい子なんだ、本当は。ただ、その優しさを表現することを怖がっているだけでね……」「学園では随分皆さんを困らせているでしょう?本当に不器用で不器用で……でも、あの子が私を『かあさん』って呼んでくれた日は嬉しかったわ」。
 夫婦は二人を真人の友達だと思い込んでいる。真人の思わぬ真実を知ってしまった二人は、まさか真人が嫌いでしょうがないから追いかけていたなどと言い出せない。この二人には言えない――そう思わせるだけの柔和さが二人にはあった。結局癒子を中心になんとか乗り切った二人は疲れ果てる。

 真人は生まれつきあんな人間だった訳ではない。社会のゆがみや不運、そんなよくない要素が偶然一カ所に集まって、真人が誕生した。両親の会話から、癒子は真人が決して自分から望んであんな態度を取っている訳ではないことをそれとなく察する。だから真人を許したわけではないが、彼女の心は確実に揺れていた。
 梓沙も揺れていた。彼女は確かに不幸かもしれないが、真人の不幸はそんな自分のそれが霞むほどに大きかった。梓沙は、彼に意地を張っている自分がとても矮小な存在に思えた。そして自分の母親よりもよほど親らしい里親を持つ真人に嫉妬している自分が嫌になっていた。

 晩御飯までごちそうになってしまった帰り道、二人は一言もしゃべらずに真人に着いていく。ばつの悪い二人は両親の前では友達のような態度を取ったが、いざ真人と二人きりになると何も言えない。しかし、そんな二人に反して真人は意外なことを言った。「お前ら二人が来て気が楽だった」。
 もしセ
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