幻のIS小説のプロットの更なる続き。
[8/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い改善を見せていた。
そんな教室に、どこか真人に似た顔立ちの少女が入ってくる。梓沙だ。梓沙は突入するなり一夏を真人と間違えてぶん殴る。余りテレビを見ない梓沙は間違いを指摘されても反省しない。そもそもこの男が見つからなければ真人も見つからなかったという意味では、一夏も諸悪の根源だ。そして改めて無表情な真人に向かい合った梓沙は、今度こそ真人の顔をぶん殴った。「アンタの所為で、全部滅茶苦茶になったのよ!!」。
梓沙は彼が謝ったり、怒ったり、言い訳したり、とにかく何かアクションを起こすと思っていた。それに対する返しまで考えていた。しかし、真人は彼女の凶行に割って入ろうとする専用機持ち達を手で制し、「お前には俺を殴る権利がある。だから、この一発は甘んじて受けた」と告げた。誰に媚びることもない強い瞳に、梓沙は一瞬気圧される。「だが、これはケジメの一発だ。これ以上俺を殴るんなら『保険付き』じゃなくて『自己責任』でやれ」。高圧的とも取れる態度に、梓沙はムキになってありったけの挑発を叩きつけた。こうして二人の最悪のファーストコンタクトは終了した。
以降、夏休みに突入。そして日本の要望で真人とシャルの相部屋(あの後も続いていた。よからぬ噂も流れたが)は解消され、梓沙がそこに入る。僅か数日の、梓沙の一学期目が始まった。彼女の世話は真人に任されたが、真人は頼まれたこと以外で彼女と口を利く気が無かった。何故なら、梓沙は決定的に真人を嫌っており、あちらも話しかけてこないからだ。千冬はどうにか二人を仲良くさせられないかと悩んでいたが、梓沙の意固地さはある意味で真人より厄介だった。
無視すればいい――真人はそれが一番楽なので、迷わずそれを選ぶ。しかし、梓沙は逆に接する機会がない事で彼への潜在的な不満や荒探しが出来ずに苛立ちが募る。そして真人と仲のいい専用機持ちは全員敵扱い。生活環境は違った筈なのに、彼女は妙なところで真人に似ていた。
だが、梓沙はそんな生活の中で、真人は嫌いだが彼が決して物語の登場人物のような典型的悪人出ない事を節々から感じ取っていた。最初は反真人派とよく喋っていたが、彼女たちの言葉の中には「風原真人はそんな人間ではない」と感じることが多くなり、次第に関係はぎくしゃくしていった。
結局距離が埋まらないまま夏休みが訪れたある日、真人が黙ってどこかに出かけるのを梓沙は目にした。何か彼をギャフンと言わせるような弱みが欲しい――そう思った梓沙は、反真人派で一番気が合う癒子と共に彼を追跡する。真人は外出許可を貰い、電車に乗り、段々と学園から離れていく。二人は下手くそな尾行をしながら追跡し、ある家に辿り着いた。真人はそのまま家に入る。どうしても真人の行動を観察したかった二人は双眼鏡などを使って遠くから観察しようとするが、突然彼女たちは黒服の男達に拘束
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ