幻のIS小説のプロットの更なる続き。
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つまんない理由で虐められたし。アタシたち、どうしようもない生き物なのよ」。箒もまたニュアンスは違えどそのような現実を見てきたため、意見は同じだった。足りない物を探すように、一夏の太刀は鋭さを増していく。
迷いは太刀筋を鈍らせる――そう思っていた。千冬の剣は正にそれだった。だが、一夏は迷い、悩み、その中でも前へ進もうとする。その強い意志が、剣に力を与えていた。
箒はそれを間近で受け続けたが、生身はともかくISの方は既に一夏に付いて行けなくなりつつあった。そんな折、彼女の携帯に束から電話がかかってくる。「専用IS、欲しくなぁい?」。あちらからの連絡に箒は微かな不信感を覚えるが、一夏を支えるのにレンタルの打鉄では無理だ。箒は頷く他なかった。
そして臨海学校の日が訪れる。真人を除き、おおむね全員が初日を楽しそうに過ごした。その真人も周囲から離れて趣味の「釣らない釣り」を楽しむことにするが、そこに箒が現れる。「嫌な予感がするんだ」。何の根拠もないが、箒は何年も音信不通だった姉が突然向こうから接触を図ってきたという「感情の機微」が気になっていた。
あまり興味なさそうに箒の話を聞いていた真人だったが、不意に彼女の語る人物を聞いていて思い出す人間がいた。前に釣りをした時に現れた、面倒で不審な女――あの女と会った直ぐ後、真人はテロリストの襲撃を受けた。そのことを話すと、箒はそれは束本人である可能性が高いと感じた。箒は千冬にも嫌な予感を伝えたが、「防ぎようがない」と言われてしまったという。だったら――束に嫌われたかもしれない真人がどうなろうと「防ぎようがない」のではないか。言い知れない不安を感じながら二人はその場を後にした。
その日の夜、真人はのほほんと共に夜食を抜け出していた。別に逢瀬という訳ではない。実は真人は肉の件とは別に、幼い頃食中毒で死にかけたトラウマから生魚が極端に苦手だったのだ。肉と生魚のない食事をあらかじめ用意していたのほほんは何所か楽しそうに真人と共に食事をする。それなりに真人が心を許してくれている気がして嬉しいようだった。そんな所にセシリアが現れ、シャルが現れ、他数名の専用機持ちたちが現れ、全員で夜の月を見上げた。
中学時代の親友たちとアウトドアに出かけた日の夜を思い出した真人は、無性にあの頃の親友に再会したくなった。外出許可はいつまでも出ないが、夏休みには出るだろうか――そう淡い期待を抱きながら。
翌日の朝、束は箒へのプレゼントと共に、真人に最悪の知らせを告げる。それは、中学時代に「友達」だった人物の一人――守達姫が所属不明のISに拘束されている写真だった。その写真を見た瞬間、真人は既にISを展開してその場を立ち去っていた。
周囲は追いかけようとするが、束のことを読み違えていた千冬は真人を
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