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没ストーリー倉庫
幻のIS小説のプロットの更なる続き。
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※プロットでは日常会話などが大幅に省かれていますが、真人とセシリアは異性として意識し合っています。
 
 第六章

 真人と同級生の抗争にシャルが参戦する。しがらみから解放された彼女は周囲の想像以上に思い切りが良く、周囲から「風原二号」と揶揄されるほどにいじめ関連の絶妙な駆け引きが上手だった。どうやら会社や母親に対して溜まっていたものがあったようだ。また、ラウラも軍隊式煽りで上級生と火花を散らし、今まで水面下で行われていた対立構造がむき出しになる。そんな中、セシリアは自分があまりこの手の戦い向いていないことで小さな疎外感を感じていた。

 同刻、一夏は鈍っていた剣の腕をメキメキ上達させていた。しかしそれは強さへのあくなき欲求ではなく、学校内に渦巻く独特の悪意を忘れたいがために没頭しているだけだった。クラスメートとは上手く行っているし、最近は真人にもそれほど邪険にされない。クラスの雰囲気は最初に比べれば軟化していた。それでも、悩みが無くなる訳ではない。

 真人たちと上級生の争いに終わりが見えない。同級生も未だに皆が真人を認めているとは言い難く、少し前までシャルに黄色い声を上げていた女子が今ではシャルを毛嫌いしているという手のひらを返したような光景も日常茶飯事だ。別のクラスではもっとひどい噂も出回っているらしい。
 一夏からすれば、真人と上級生が互いに謝罪して手打ちにするのが最も平和的ない方法に思える。しかし、真人という男は自分が悪くないと判断した場合は何をされても絶対的に頭を下げないし、あちらもそんな真人が気に入らないので和解する気がない。先生はそれに見向きもせず、どうにかしようとしている大人は少数派だった。
 とめどない悪意が生み出す濁り。かつて箒や鈴を助けた時の単純ないじめの構造とかけ離れた現状。仲裁するべき立場である大人が口を出さないという怠慢とも取れる態度。真人はあちらが手を出さない限り決して自分から攻撃することはない。しかし、上級生は真人という存在そのものを根拠に、実体のない巨悪のイメージを作り出している。
 両者の戦いは、全く無意味で実体のない戦いなのだ。何故それに気付かないのか。何故応酬は止まらないのか。今までに何度もこの戦いを止めようとした一夏だが、真人たちは「攻撃されたから反撃する」のスタンスを崩さないし、上級生に到っては一夏を神輿にして真人を攻撃する態勢を正当化しようとした。
 「言葉じゃ足りないのか?誰かが誰かより下じゃないと、みんな納得してくれないのか?」どちらかを護ればどちらか意味のない戦いをすることになる。どちらも護ろうとしても結局はどちらかがどちらかを弾圧しようとうする。一夏の悩みは袋小路に陥っていた。
 鈴はこの戦いを割り切っている。「人間なんていつだってこんなもんよ。アタシだって中国人だからっていう
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