3部分:第三章
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第三章
「幾ら何でもな。それでもか」
「日本じゃお店のお菓子として売られてるよ」
「凄いな、日本ってのは」
「メーカーが作っててね」
「こんなの会社が作って売ってるのかよ」
「面白いだろ」
「面白いことは面白いにしろ異常だろ」
アメリカ人としての観点からの言葉だった。
「こんなの食うなんてよ。日本人ってのは」
「外見は虫でも中身はね」
「お菓子だからいいのかよ」
「そうだよ。だから面白いんじゃないか」
「それでこれ売れてるのかよ」
「日本じゃ結構話題になってるよ」
「味はどうなんだよ」
クラークは外見だけでなくだ。その中身についても尋ねた。
「そっちはどうなんだよ」
「安心しなよ。日本人は外見だけを大事にしたりはしないさ」
「味も確かなんだな」
「中身が伴ってない日本人は学校の先生と労働組合の奴等位だよ」
そうした輩もだ。残念ながらいるともいうのだ。
「けれどそれでもな」
「それでもかよ」
「味は確かだよ」
日本人は微笑んでクラークに話す。
「まあ食って。もっと驚きな」
「ああ。けれど食って驚かなかったらな」
「その時はどうするんだい?」
「二度と来ないからな」
店にだ。そうすると言ってだ。クラークは店を後にした。そうしてだ。
自分の店に戻ってそのうえでその虫の形の菓子を口にしてみる。するとだ。
その味を味わってだ。こう言ったのである。
「おい、これはかなり」
また驚くことになった。そうしてだ。
次の日の仕事がはじまる前にだ。店に来たエミーにだ。彼はその菓子を出した。エミーもその菓子を見てだ。その緑の目をしばたかせたうえでこう言ってきた。
「マスター、これって」
「ああ、あの店の菓子だよ」
まさにだ。それだというのだ。
「買って来た。それでな」
「私も食べてみろっていうんですね」
「ああ。ちょっと食ってみてくれ」
真面目な顔でだ。クラークはエミーに告げた。
「エミーもな」
「それじゃあ」
クラークに言われてだ。エミーもだ。
少し躊躇を感じたがそれでもだ。そのカブトムシやテントウムシ、その他の様々な虫達を手に取ってだ。そのうえで口の中に入れたのだった。
そうして食べてみるとだ。これがまただった。
「美味しいですね」
「そうだろ?美味いだろ」
「はい、日本人が作ったんですよね」
「けれど味はな」
「アメリカ人の好みに合ってますね」
「それも勉強したみたいだな」
あの日本人はだ。そうしたというのだ。
「凄い話だよ。外見だけじゃないんだよ」
「余計に凄いですね」
「あの日本人が言うだけはあるさ」
唸る様にしてだ。クラークはエミーに述べた。
「外見だけじゃねえよ。確かに美味いよ」
「そうですね。本当に」
「で、
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