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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico?時空を超えて今ふたたび〜Return of Rivals〜
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かつては死に瀕していた世界、エルトリア。死蝕という現象によって水や大地は腐敗して、人が住めない星へと刻一刻となろうとしていた。しかし、その死蝕現象を食い止め、元の美しい世界に戻そうとその生涯を捧げた1人の研究者の成果のおかげで、死蝕現象は僅かながら腐敗の拡散を止めた。
その研究者の名は、グランツ・フローリアン。紛れもなくエルトリアの歴史に名を残すであろう偉大な人物だ。そんな彼には数多くの家族が居る。死蝕の研究・対策の実験過程で製作された死蝕地帯の復旧機材・自動作業機械ギアーズ。その普及型の試作機である2人の少女。

「博士〜? そろそろ朝ご飯ですよ〜?」

その内の1人が、グランツ博士の研究室の扉を開けてそう声をかけた。研究室はカーテンが閉められており、朝日が弱々しく室内を照らしている。少女は研究室の中に踏み入り、「昨日、片付けたばかりなのに・・・」と、複雑な計算式が書き殴られた紙が百十数枚近くがデスクや床に散らばっているその様に嘆息した。

「博士。朝ですよ。3日に1回は休みを取る、そういう約束ですから起きてください」

少女は床に散らばった紙を拾っては胸に抱え、デスクの上にドサッと置く。始めから積まれていた別の紙束がぐらりと倒れそうになるも「おっと」少女は余裕を以って上から押さえつけることで防いだ。そして少女は窓へと向かい、シャッとカーテンを開けた。温かで眩い陽の光が室内に差し込む。

「・・・ん・・・む・・・う・・・」

男性の呻き声が少女の耳に届いた。少女は明るくなった室内を見回して、「またベッドじゃなく寝袋で寝たんですか・・・」芋虫のように蠢く寝袋を見た。その寝袋から「アミタかい・・・?」少女の愛称が発せられた。

「そうですよ、3日間も研究室に籠っていたんですから、今日1日くらいは部屋を出て陽に当たりましょう」

少女――アミティエ・フローリアンが寝袋に向かって微笑んだ。歳は10代後半ほど。深桃色の長髪をおさげにし、カチューシャを付けている。青いキャミソールとデニムパンツといった格好だ。

「約束・・・あー、そうだったね。判った、起きるよ」

寝袋のファスナーがジーっと音を立てて開き、Yシャツ姿の男性がもそもそと起き上がった。寝ぼけ眼でフラフラな足取りの博士は「おはよう、アミタ」と、フローリアン家の長女であるアミティエに朝の挨拶をした。

「おはようございます博士♪」

それからアミティエと博士は研究室を出、陽の光に照らされて眩い廊下を歩く。そんな中で「あ! おはよう博士♪」窓の外から博士に挨拶が掛けられた。外には1人の少女が居り、博士に手を振っていた。博士とアミティエは窓へ近寄り、ガチャッと窓を開ける。

「やあ、おはよう、キリエ」

挨拶をしてきたのはフローリアン家の次女、キリエ・フロ
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