第九話。千夜一夜夢物語C悪夢
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立だ。今度とも宜しく頼むぜ、相棒」
理亜の前までやって来ると、アリサはその右手を差し出した。
「宜しくお願いします。アリサさん」
理亜は差し出さられたその手を力強く握る。______その瞬間だった。
理亜の頭の中に、怒涛のように光の粒子が大量に流れ込んできた。
宇宙空間を瞬く間に高速で移動し、通り過ぎていくかのように。
その一つ一つの星の光が、アリサの言う『予兆』だと理解出来たのはヒステリアモードになっているから。
というのもあるが、アリサの手を握っているからだろう。
高速で通り過ぎていく中、その光の一つを、理亜はハッキリ見てしまう。
そこには______。
真紅に染まっている空。まるで大災害にでも遭ったかのように崩壊している街並み。
そして、狂ったように高笑いしている少女の声______。
その声には、なんだか聞き覚えがあるような、ないような。
ハッキリと思い出せないが。
何故だか非常に気になった。
そして。
崩れた瓦礫の上にかなりの血溜まりが存在していて。全身の血を全てぶちまけたかのような、絶対に助からないかと思うほどの危険な血の量があった。
そこに、誰かが倒れている。
見覚えのある顔だが、そんなしょっちゅう見るわけではないような男の顔。
いつも鏡に写るくらいにしか見ない顔。
あれは______俺だ。
一文字疾風が、血溜まりの中______全身傷だらけで倒れていた。
そう、その顔は蒼白で。
傍からみても完全に、死______。
「いやああああああああ??」
空気を引き裂くような悲鳴を聞いて、俺は飛び起きた。
場所は……俺の部屋のベッドだ。
どうやら、鳴央ちゃんが見せてくれていた理亜の夢ツアーは終了したらしい。
つまり、理亜が目覚めたっていうことで______って。
今の悲鳴は、まさか??
「り、理亜??」
俺はすぐさま部屋を飛び出し、理亜の部屋の前まで行って部屋のドアを開けようとした。
「理亜、どうした??」
だが鍵がかかっているのか、ガチャガチャと鳴るだけでドアは開かない。
「理亜っ!」
部屋のドアをドンドン、と強く叩くが返事はない。
俺は部屋の中にいるであろう理亜に向けて叫ぶ。
ドアを叩きながらも、自分自身心臓が早鐘を打っているのが解る。
崩壊した街並み。
その瓦礫の上に倒れていたのは間違いなく、俺だ。
そして理亜はそれを『予兆の魔女』の力で見てしまった。
つまり、俺は______死ぬかもしれないんだ。
近い将来、高い確率で!
すでに何度か死んだことのある身だが、あ
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