第九話。千夜一夜夢物語C悪夢
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う。
しかし、そんな理亜の様子にも構わらずにアリサは言葉を続ける。
「だからなんとかしたいなあ、と思ってたわけよ。確かにこの世界は曖昧でいい加減でのんきで適当だが、私は個人的に気に入っているしな。食い物は美味いし、人間は面白いし、アニメは楽しいし、可愛い女は多いし、アホな男も多いし」
「アリサさんは……なんだかんだで、この世界が好きなんですね」
「まあな。だから、そいつをなんとか出来る『最強』の『主人公』とか、そういった世界規模の危機に干渉出来る『不可能を可能に変えられる存在』を探していたんだよ。ここしばらくの間な?」
アリサは淡々と告げるが、『世界の危機を救える存在』。
そんなことが出来るのは『主人公』の中でも……『救世主』とか、そういった存在だけだ。
「そんなわけで『主人公』を探していたら、星座に『可能性』を封じられた『主人公』が最近出来たっていうのを察したんだよ。で、会いたくなったわけさ。そいつなら私と一緒に『千夜一夜の物語』を集めて、この世界を死なないようにしてくれるんじゃないかって」
「星座に、ですか?」
「ああ。『予兆の魔女』だからな。星に現れるそういったものも全部把握出来るわけさ。
それは『乙女座』に封じられた『正義の女神』の可能性」
アリサは水色の瞳を理亜に向けると、理亜の顔をじっと見つめて覗き込んだ。
「______それが、お前さんだよ『正義の星女神』」
アリサの『告白』に頭が真っ白になりそうになる。
理亜の中で聞いている俺だが、そのあまりにもスケールのでかい危機に、夢物語のように感じられた。
もうすぐこの『世界』は終わる。
『世界』を終わらせない為にはある『主人公』達の力がいる。
その『主人公』の一人は。
星座に『可能性』を封じられていた。それは『女神』の可能性である。
そして、それが理亜である。
……全くもって、荒唐無稽だ。
どこのファンタジー物語だよ。
理亜だってそんな話をそのまま受け入れたりなんて出来ないだろう。
だが。
「その話を私が信じる、信じないは特に気にしていないのですね」
「もちろんさ。こんなデンパな話、いきなり信じられた方が引くからな」
「つまり、私の『何故』に貴女は正直に答えてくれただけである、と」
「察しがいいじゃないか。ますます相棒に欲しくなったぜ」
やはり、受け入れさせる為の言葉ではなく、あくまでも理亜質問に、アリサとしての返事をしただけの内容だった。それを信じさせるつもりもなかった、だから荒唐無稽なのは当たり前な話。
そういうことか。
「私以外の人と組んだことはあるのですか?」
「もちろんさ。だが『千の物語』を集め切ったヤツ
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