第六話。千夜一夜夢物語@告げられた予兆
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女が理亜のブレインだと。
「……死にそうな人で、そういう才能がある人を探していたのですか?」
理亜は落ち着いて淡々とアリサに語りかける。
「わははは! そこは話せばちと長いんだが。どうだい、お嬢さん。死にたくないかい?」
「私はお嬢さん、という名ではなく、理亜という名前があります」
「そんじゃリア。私と一緒に千夜一夜を過さないか? そしたら『予兆の魔女・アリシエル』。通称アリサがその命を守ってやらなくもないぜ?」
『予兆の魔女・アリシエル』こと、自称アリサ。
それが理亜を『終わらない千夜一夜』にした張本人だった。
気がつくと、場所が変わっていた。夢の中だからか、移動が省略されるらしい。
ここは……見覚えがあるような、ないような、そんな曖昧な記憶だがいくつか解ることがある。
今いるここは整った女の子の部屋の中だということ。
椅子の上に一時的に制服がかけられていて、それが見覚えのある十ニ宮中学の女子制服だということ。
部屋の模様からしてここは理亜の部屋だということ。
…………。
制服がかけられている?
俺が状況を確認するよりも早く。
「はふぅ」
理亜の溜息と共に。
シュルッ、と俺が見ている視界の中で首のリボンが白い手によって取られる。
これは……!
「すぐに死ぬわけではないようなので、そこは良かったですが。アリサさんの言葉はどうも冗談には思えませんでした」
妹の着替えシーンに、こんな形で遭遇してしまう不幸な俺だった。
これじゃ本当に、すっかり妹の着替えを覗く気満々な変態さんじゃないですか!
俺は俺でテンパりそうになる。理亜は独り言の時も丁寧語なんだなぁ、とかどうでもいいことを同時に考えながら、目を閉じるにはどうすればいいかを必死に考えた。
このまま見続けていたら確実にヒステリアモードが強まる。
見たくないのか、と問われば返答に困る。
これ以上ヒステリアモードの俺でいたくない。
だけど、理亜の。可愛い従姉妹の着替えを見たくないというのも、それはそれで理亜に失礼だ。
と、見る見ないで葛藤していると、視界はあくまでも部屋の中を見ていることに気づく。
ああ、そりゃそうか。理亜の視点なんだから、理亜が自分自身をマジマジと見ない限り視界には入らないよな。自分が着替える時を思い出して納得する。
自分の体をわざわざ見るのは、筋肉がどのくらいついたのかを確実する時くらいだ。
とはいえ。
パサ、と椅子の上にかけられたスカートなとを見てしまうと、ヒステリア性の血流が強まるのを感じてしまう。今はYシャツと下着姿なのか、我が妹は。
って、何考えてんだ俺は??
妹の着替えにドキドキするとかそりゃまずいだろ!
と
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