機動戦艦ナデシコ
1266話
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もしかして超能力者じゃないだろうな? ふとそんな思いを抱く。
この世界に念動力を始めとした超能力の類がないとは限らない。
いや、寧ろ超能力に限らず、何らかの特殊な能力があると考えた方がいい。
それがどんな能力なのかは分からないが……いや、今はそんな事を考えているじゃなくて。
「それで、連合軍はどれだけの戦力を出してきたんだ?」
気をつけろよ! とか言いながら格納庫の方に向かって去って行くウリバタケを尻目に、俺もコミュニケを起動させたままミロンガ改のコックピットへと向かう。
もっとも、ここであまり急いだ様子を見せないのは、荷物搬入口を破壊して出撃するというのは最後の手段だと念押しされているからこそだろう。
こっちが何か行動を起こそうと思っても、今の俺ではそれが出来ないのだ。
いやまぁ、それこそ影のゲート辺りを使えばこの状況からでも外に出られるんだが、その辺は向こうがかなりの戦力を出してきて、こっちが本当に絶体絶命の時くらいでないと、どうしようもない。
だが……ルリの口から出たのは、完全に予想外の言葉だった。
『敵は連合軍じゃありません。木星蜥蜴です。しかもチューリップ』
「は? チューリップ? 何でそんなのが近づいてくるのに気が付かなかったんだ?」
『どうやら海中で休眠状態になっていた近くを連合軍が通り過ぎたことにより再び動き出したらしいです。そして、連合軍の艦を追ってここまでやってきた、と』
「……休眠状態だったのか」
ぶっちゃけ、出来れば休眠状態のままで俺がチューリップを見つけたかった。
以前にも思ったが、チューリップってのはメギロートやイルメヤといった無人機の運用艦としては最適の存在なのだから。
つまり、休眠状態にあるチューリップってのは、俺にとっては格好の獲物でしかない。
……くそう、連合軍め。余計な真似を。
「で、俺はどうすればいいんだ?」
ミロンガのコックピットへと乗降ワイヤーを使って乗り込み、ルリとの通信を続ける。
正直、現状で俺がどうこうする訳にはいかない。
それはルリも分かっているのだろう。相変わらず表情を変えないままに、口を開く。
『どうしようもありません。連合軍からは自分達でどうにかするから何もするなと通達が来てますし、そもそも艦長はまだ帰ってきてないので、ナデシコは動けませんから』
「だろうな。……ただ、連合軍が木星蜥蜴を相手にどうにか出来るのか?」
『どうでしょう。……あ』
不意にルリの口から出た間の抜けた声。
微妙に嫌な予感を覚えつつ、口を開く。
「どうした?」
『テンカワさんとヤマダさんのエステバリスが2機、マニュアルで発進しました』
「あー……なるほど。やるとは思ってたけど、本当にやったか。しかもヤマ
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