外伝 メイドのお仕事
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からすればサポーターとは違った意味で軽蔑すべき存在だが、リスクに見合った確かな儲けのある『賞金稼ぎ』は常に一定数存在している。
「レベル6だか7だか知らねぇが、所詮は人間のヒューマン!この薬には耐えられねぇよ!」
「『狂闘士』は今朝がたダンジョンから上がってきたって話だ。話だとあいつはダンジョン上がりにまず自分の根城に戻った後、必ずと言っていいほど『豊穣の女主人』で飯を食う。その際には『告死天使』もついてるってのがちと厄介だったが……そこはそれ、『あいつ』の仕事だしなぁ?」
彼等もプロだ。必要な仲間には予め声をかけている。そして他人が作戦に乗ったということは、リスクに釣り合った成功率がると踏んだからに他ならない。彼等はこの作戦の成功を確信していた。
勝ち誇ったように下卑た笑みを浮かべる数人の『賞金稼ぎ』たちは、揚々と己が職場である酒場へと足を進めようとし――不意に、その身体が止まる。
「………?」
「おい、どうした急に止まってよぉ?」
「いや、それが………」
止まった男は振り向かないまま、戸惑いを隠せない声色で告げる。
「体が……体が動かねぇんだよ!まるでロープか何かで縛られてるみてぇに、全然!!」
男は激しく身じろぎするが、その身体は動かないどころか転倒してもおかしくない体勢にまで傾いていく。やがて、男の足は地面から離れ、完全に体が宙を浮き始めた。
「はぁぁっ!?な、何だこりゃ!!一体何がどうなってんだよ!お前、『飛翔靴』でも買ったのか!?」
「あんなメルヘンでバカ高ぇもん買うような男に見えるかよッ!」
「潜在的に空を飛びたいって夢があったかもしれない。男は何年経っても心だけは子供のままだ……」
「下らねぇこと言ってないで……うぐっ、た、助けろ!!な、何かに締め付けられてる……ッ!!」
男の胴体や腕回りがミシミシと音を立てて陥没していく。最初は戸惑いであらぬことを言っていた仲間も非常事態であることを漸く理解して、とりあえず男を地面に降ろそうと動く。
ぎしり、と体が停止した。
「おい、なにぼうっとして……ぐうっ!?は、早く助け……!!」
「ち、違う!俺も……俺も体が動かねぇ!!」
「剣を……剣を抜こうと腕を動かしてんのによぉ!!何で手が柄に届かねぇんだよ!何がどうなってやが……ぎゃあッ!?」
男達の身体が次第に宙へと浮き上がっていく。同時に、全員の身体に締め付けられるような痛みが迸った。これではまるで、見えない巨大な魔物に締め付けられているかのようだ。全員がなんとかその正体を確かめようとするが、手足が自由に動かせないことへの焦りと戸惑いが勝る。
――自分たちは、このまま死ぬのか?
彼らが漠然とした『死』の気
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