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おたまじゃくし
1部分:第一章
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とコーヒーを出しましょう」
「俺のお菓子とコーヒーはボルチモア一だ」
 この自負もあった。それ故にだ。
 彼は首を捻っていた。その客の言葉にだ。それで暫くの間あれこれと考えながら店をやっていた。しかしある休日のことだ。彼にエミーから電話があった。
「マスター、お話を聞いたんですけれど」
「デートの誘いならお断りだぜ」
 クラークはまずは軽いジョークで電話の向こうのエミーに返した。
「俺にはもうハイスクールからのステディがいるからな」
「安心して下さい、私にはもうマイケル=ジャクソンがいますから」
 エミーもエミーでこう返す。
「素敵な彼氏が」
「おい、マイケルが彼氏か」
「そうです。だからお誘いはしません」
「そうか。それで何でなんだよ」
「今日の電話ですよね」
「今日は店は休みだぜ」
 こうエミーに返す。
「確認の電話かい?」
「いえ、面白い情報が入ってきまして」
「メールで送ればいいと思ったぜ、今」
「是非お話したくて」
 それでだ。直接言ってきたというのだ。
「お電話させて頂きました」
「そうなのか。成程なあ」
「そうです。それでなんですけれど」
「ああ、面白い情報って何なんだ?」
「日本人がこの街でお菓子屋さんを開いたそうで」
「日本人?」
 クラークは日本人と聞いてだ。電話の向こうで首を捻ってこう言った。

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