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Blue Rose
第三話 変わらない声その二

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「よかったら歌うこともね」
「部活で、ですか」
「考えてみたらどうかしら」
「先生合唱部の顧問でしたよね」
「ええ、そうよ」
 先生は優花の問いに微笑んで答えた。
「そのことからも誘いをかけてるの」
「そうなんですね」
「掛け持ちって形でだけれど」
 美術部と、というのだ。優花が今現在所属している。
「どうかしら」
「うちの学園掛け持ち多いですしね」
「ええ、複数の部活をね」
「それで、ですか」
「考えてみてね」
 にこりと微笑んでだ、優花に行った。
「そのことも」
「わかりました」
「そういうことでね」
 こうしたことを話した、そして。
 優花は家でだ、優子に話すとだ。優子はこう返した。
「確かにね」
「僕の声は」
「最近特にね」
 とりわけというのだ。
「女の子っぽくなってるわね」
「そうなんだ」
「気のせいじゃなかったわね」
「姉さんの?」
「そのことがわかったわ」
 優子は今はだ、酒を飲んでいた。夕食の後でテレビのバラエティ番組を観つつそのうえで台所を片付けている弟に言った。
「本当にね。それで手伝う?」
「いいよ、これ位ならすぐに終わるから」
 今している後片付けはというのだ。
「食器は食器洗い機に入れるし」
「そうなの」
「姉さんはそこにいていいよ」
「じゃあいるわね」
「ただ。飲み過ぎないでね」
「わかってるわ、今日はワイン一本にするわ」 
 見れば赤ワインをカマンベールチーズで飲んでいる、チーズは既にスライスされていてそれを指で取って食べている。
「それでね」
「まあワイン一本ならね」
「いいでしょ」
「身体にもね」
「ブランデーとかウイスキーじゃないから」 
 ワインと比べてアルコール度のかなり高いだ。
「今日はね」
「それでね、それで話を戻すけれど」
「ええ、声ね」
「歌声ね、それはね」
「最近だね」
「特にね」 
 実際にというのだ。
「女の子のものになってきてるわね」
「ソプラノって言われたよ」
「女の人の声で高いのね」
「歌声でね」
 それになるとだ、優子も話した。
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