第二十四話 出会いその一
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出会い
高校三年生になりました。高校生活もまともにいけばこれで終わりです。寂しくもありそれと共に最後だからって気が引き締まるって気持ちもあって。入学式と始業式が終わってから廊下で新しくクラスメイトになった同じ東寮の娘と歩きながら話をしていました。
「寮生活ももう一年ね」
「正直長かったわ」
こう私に苦笑いと一緒に言うのでした。
「それもかなりね。特に一年の頃なんか」
「そうそう」
私も彼女の言葉に相槌を打ちます。
「本当に二年になれるのかしらって思ってね」
「けれどちっちは上手くやってたじゃない」
彼女に言われました。
「部屋の先輩と」
「長池先輩優しかったから」
これが私の答えです。
「だから。上手くやってたんじゃなくてよくしてもらってたのよ」
「そうなんだ」
「そうよ。長池先輩だからやっていけたんだし」
そういう意味で本当に長池先輩には今でも感謝しています。今でも時々御会いしますけれど高校の時よりさらに奇麗になられて。性格も相変わらず優しくて尊敬しています。
「あの人だからね」
「怖い人っていうイメージあったけれどね」
まだ皆にはそんな意識があるみたいです。
「どうしてもね。それはね」
「まあそれは人それぞれだけれど」
「それでちっち」
今度は私に言ってきました。
「何?」
「やっぱり大学進むのよね」
進路のことを私に聞いてきました。
「ちっちは。どうなの?」
「そのつもりだけれど」
漠然とですけれど天理高校から天理大学っていうのは中学の頃、いえ小学生の頃から漠然と考えていました。八条学園に通っていた頃から高校は天理だって思っていました。
「駄目かしら」
「ちっちの進路だからね」
彼女は言うつもりがないようです。
「それはね」
「そうなの」
「けれどいいんじゃないの?」
「いいの」
「私が口出しすることじゃないし」
少し放任的な言葉でした。
「ちっちの人生だしね」
「そうなのよね。やっぱり」
言われてみるとその通りです。私の人生は私のものです。あのまま八条学園に残ることもできましたけれど天理高校に入って。それも自分で決めたことですし。私の人生は私で決めることなんですよね。教会を継ぐっていうのも漠然とですけれど私が決めたことですし。
「私が決めないとね」
「そうよ。誰が決めるものでもないのよ」
「私以外にはなのね」
「そういうことよ。まあちっちはね」
ここで私を見て笑ってきました。明るい笑顔です。
「真面目だけれどどっか抜けてるし」
「抜けてるのは余計よ」
「背も低いし」
「それは関係ないじゃない」
結局一年から三年になるまで一ミリも伸びませんでした。小学校の時は結構高い方
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