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ソードアート・オンライン〜共鳴の宴舞台〜
SAO:アインクラッド〜共鳴しあう絆の中で〜
雪山探索編
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「せいっ!!」

バギィ!!

近くにあった手頃な大きさの(それでも十分大きいが)水晶を、根元から砕き割る。
それをそのまま倒して、即席の盾にしたのだ。

「大丈夫ですか!リズさ……」

とっさに後ろに振り返り、自分を囮にしたリズの安否を確認しようとするフォルテ。
するとそこには。

「いねぇじゃねえかっ!?」

誰もいなかった。
ルインみたいな口調になりながら毒づく、常に敬語で通しているトッププレイヤー。
遠くにピンクの髪が見え隠れするから多分無事ではある。

「あんの人は本当に……」

ぶつぶつ呟きながらも、今度はちゃんとドラゴンと向き合い、武器を構える。
水晶の盾の向こうで、ドラゴンも「あ、終わった?」みたいな感じでフォルテを見据える。優しい。

一瞬の静寂。
直後の爆裂。

フォルテがいたところに、雪煙が舞う。
筋力値重視のフォルテにとっては、走るよりも地面を蹴って跳ぶように移動する方が早い。
その分直線的にしか動けないが、このフィールドはいたるところに水晶が生えている。足場には困らない。

ドラゴンの斜め後ろあたりまで移動し、水晶から全力でジャンプ。弾丸のようにドラゴンへと飛びかかる。
が。

「おぉぉおおお!?」

フォルテが空中で一気に減速。翼で弾かれそうになり、咄嗟に棍棒を盾にする。

空中で減速した理由はいたって単純。
進行方向と逆向きの力がフォルテにかかったから。
そしてその力とは。

「風力……!そうですよねドラゴンなんだから飛べますよねそりゃあ!」

ドラゴンが羽ばたいたことによる風。
そして羽ばたくということは、同時にドラゴンが空を飛びはじめることである。
ルインやヒナのような斬撃系の武器であったなら防御時に羽根を切ってそれを阻害することもできたかもしれないが、打撃系武器の棍棒では無理に決まっている。

「ああ、くそっ!共鳴棍使えたらまだいいんですけどね!」

空中に逃げられると打つ手はない。
もちろん、投擲系の武器を使ったり、フォルテ自身がどうにかジャンプして攻撃を与えることは可能ではある。
が、投擲武器が届くまでに移動されれば意味はないし、ジャンプしたとしたら逃げ場はゼロになる。
ので。

「秘儀、逃げる!」

今度はリークさんみたいなことを言って逃げる、頭脳派トッププレイヤー。
まぁ、間違ってはいない。
もちろんドラゴンとしては、ずっと飛んでいればいつかは勝てるだろうが、プログラムはそれを許さない。
だってSAOだし。
そのうち降りてくるでしょ。
ってことで、ちょっとの間回避に専念する。
はずだったが。

「やばいやばいやばいやばい」

翼に弾かれ、落とされた場所が。
水晶の一際大きい
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