第二百四十六話 妖術破りその八
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「今な」
「あの方の仰る通りでした」
「あ奴の呪文が奴等の術を破った」
「はい、確かに」
「これでじゃ」
「後は、ですな」
「攻める」
信長は一言で言ってみせた。
「ただ攻めるだけじゃ」
「魔界衆の軍勢を」
「見よ」
その魔界衆をとだ、信長は蘭丸に言った。
「奴等は今どうなっておる」
「陸も海も呆然となっています」
蘭丸も答える。
「妖術を破られた為」
「まさにな」
「切り札でしたからな」
「まさにここぞという時まで取っておいたな」
「それを破られたので」
「奴等も呆然となっておる、だからな」
まさにとだ、信長は確かな顔で言った。
「この時こそがじゃ」
「攻め時ですな」
「全軍に命よ、今こそ戦を決める時じゃ」
信長はその甲高い声を出した。
「褒美は思いのままじゃ、全軍で攻めよ!」
「はっ!」
蘭丸だけでなく周りにいた者全てが応えた、そしてだった。
織田家の軍勢は妖術が破られ呆然としている魔界衆の軍勢に襲い掛かった、まずは鉄砲と大砲を放ち。
そこから弓矢、槍で突いてだ。敵を次から次に倒し。
騎馬隊も突っ込む、そうして魔界衆の軍勢を崩した。
「よし、才蔵殿」
「うむ、慶次殿」
慶次と可児もだ、互いにだった。
頷き合いそして、馬を駆った。
二人の槍が荒れ狂いだった、再び戦場を朱に染めた。
「さあ、続け!」
「我等に続くのじゃ!」
二人は戦いながら若武者達に言った。
「褒美は思いのままじゃ!」
「さあ、次々に攻めよ!」
こう言ってだった、そのうえで。
織田家の軍勢は二人に続いて攻めた、その勢いは最早止められるものではなかった。それは海においても同じで。
九鬼は全軍にだ、こう言った。
「砲撃は続けてじゃ」
「はい、そのうえで」
「敵の船ににですな」
「乗り込み」
「そうして」
「攻め落とそうぞ」
こう言うのだった。
「全てな」
「ですな、そうしてです」
「敵を海から消してやりましょう」
「ここで一気に」
「攻めよ、そして沈めよ」
これが九鬼の命だった、そして。
鉄甲船の大砲にそれぞれの鉄砲の火が噴いてだった、海でも妖術が効かず呆然となっている魔界衆の者達を攻めた。
砲と鉄砲で撃ちだ、尚且つ。
切り込み倒していく、そうして海でも攻めていた。
その陸と海を見ながらだ。信長は前に出て言った。
「これでじゃ」
「はい、勝ちましたな」
「この戦は」
「間違いなくな」
丁度采配を採っていた羽柴と蒲生にも言う。
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