第2章:埋もれし過去の産物
第33話「捜索」
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うってことない。
「....悪いわね。私達のどちらかの記憶から出てきたのだろうけど...貴女は、もう解放されてるのよ。すぐに夢から覚めなさい。」
レイピアを構え、一気に接近、連撃を繰り出し、置き土産に“火炎”の御札を置いて行く。
さらに間合いを取る際に身を翻しながら弓を構え、“弓技・瞬矢”を撃ちこむ。
「.....葵!」
『....“呪黒剣”!!』
鵺の足元から大量の黒い剣が生え、鵺を串刺しにする。
....それだけで終わったのか、鵺は消え去る。
「....鵺の記憶は特別、人の精神へと影響を与えるわ。...少し、あなた達には荷が重かったかしらね。」
「...椿、お姉ちゃん....。」
「いえ...大丈夫です。」
「なんとか...行けます。」
ヴィヴィオは少しきつそうだけど、アインハルトとトーマは何かで慣れたのか幾分かマシだった。...これなら大丈夫そうね。
「っ....。」
『...かやちゃん。』
そう思った矢先、私は下に広がる街中にとある人影を見つける。
...葵も気づいたようね。
「『.....行くわよ。地上に降りたらユニゾンは解除よ。』」
『分かってる。』
ヴィヴィオ達を置いて一度私達は地上に降りる。
...そして、地上に降りると同時に葵がユニゾンを解除する。
「...薄々出るとは思ってたけど。」
「案の定...だったね。」
私達の目線の先には、桃色と薄桃色の縞模様のような着物に赤い袴を着ており、くせっ毛な紫の長髪の頭に赤いリボンを付けた少女がいた。リボンからは少し髪の毛がちょこんと出ている。
....間違い、ないわね...。
「.....とこよ....。」
「....ん....あれ...?」
“あの子”の...彼女の名前を呼ぶと、彼女はこちらに気付く。
「...椿ちゃん、葵ちゃん?」
「....あの日以来ね。とこよ。」
有城とこよ....江戸時代、幽世の大門を閉じた要因の人物として陰陽師の間では知られている陰陽師。
けど、彼女は幽世の大門が閉じられたと知れ渡った時にはもう行方不明となっていた。
私と葵は、幽世の大門を閉じに行く前に重傷を負って、それ以来会えなかったのよね。
「ん〜....ねぇ、ここどこか分かる?」
「....ここは200年以上未来の日本よ。」
「未来...?」
本来なら、すぐにでも彼女は倒した方がいいのだろう。
...けど、懐かしさからつい私は彼女と話してしまう。
「...ねぇ、とこよちゃん。一度、全力で勝負しようよ。」
「実力が一歩足
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