第2章:埋もれし過去の産物
第33話「捜索」
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鵺と言うのは正体が分からない妖として有名で、本当の姿は誰にも分からないわ。虎だったり、猿だったり、鳥に見えたという人もいたわ。」
「じゃ、じゃああれが本当の姿?」
「...いえ、あれもまた、鵺の多面性の一つかもしれないわ。...つまり、先程挙げた動物の要素も持ってるかもしれない。...気を付けなさい!!」
そう言うや否や、もう一度矢を放つ。
しかし、その矢は鵺の爪によって弾かれる。
「っ....ようやく手応えのある妖が現れたって所ね....。」
「...でも、あれ飛べないんじゃ....。」
ヴィヴィオがそう呟いた瞬間、鵺の背に烏の羽が生え、私達の所まで飛んできた。
「え、えぇえええええええ!!?」
「鵺は鳥の要素も持ってるって言ったわよ!いいから早く戦闘態勢取りなさい!トーマも!」
「は、はい!!」
恐らく、鵺程の相手となると弱体化した私だと苦戦するかもしれない。
...いえ、地上に降りて葵と二人掛かりなら簡単に倒せるけど...。
「本物と比べれば、とんでもなく弱いわよ!落ち着いて戦えば苦戦しないわ!」
鵺は飛べるとはいえ、空中戦には私同様慣れていない。
だから、そこに付けこめば無傷で倒せるだろう。
「爪の攻撃と牙の攻撃、そして溜めに入った時は注意しなさい!」
「は、はい!」
攻撃の注意点を教え、私は弓で援護をする。
「(このままなら―――!)」
―――“泣けなかった”
「っ!?きゃぁあっ!?」
「ヴィヴィオさん!」
瞬間、ヴィヴィオは薙ぎ払うかのような腕の一振りに吹き飛ばされた。
...ギリギリで直撃は避けたみたいだけど....!
『かやちゃん!こいつは....!』
「...ええ。...訂正よ!こいつは鵺じゃない...正しくは、鵺の記憶よ!」
「記憶?」
「...鵺は陰陽師...あなた達で言う魔導師ね。それを取り込む事に成功しているわ。そして、今相手にしているのは、その陰陽師の“死をもたらした妖”として強化された記憶よ。」
...その記憶の中心は、鈴...“あの子”の先輩にあたる人物...。
だから、アレの想いから来る強さに飲み込まれてはいけない...!
―――“東の方角を見ている”
「っ....!全員!防御魔法よ!!」
―――“帰りたかった”
私が指示を飛ばし、全員が防御魔法を張ると同時に、悲しい想いが呪いの塊として私達を襲った。
「『なに...?これ....?』」
「『気をしっかり持ちなさい。....所詮は偽物よ。』」
ヴィヴィオ達は苦しそうだが、こんなの、本物に比べたらど
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