後編
2.合同作戦
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そうか。そいつは多分キソーだな」
「キソー?」
――キソーじゃない 木曾だ
「キソじゃなくて?」
「ああ。木曾だ。でもみんなキソーって呼んでてな。球磨か北上にでも聞いてみるといい」
「了解です」
執務室を後にし、俺は自分の店に向かう。午前中はもう潰れたから、今日は午後からの開店になる。
……キソーか。本人も嫌がってるあたり、苦労人っぽい感じだなぁ……
――うるせぇ
そう言うなよ。あの日俺を静かに諌めてくれたお前には感謝してるんだ。キソーって呼ぶのは信頼の証だと思ってくれ。
――チッ
……だけど、なんで俺だけ声が聞こえて見えるんだろうなぁ……そんな疑問を抱えたまま、店へと急いだ。
そしてそのまま店を開き、何事も無く一日が終了。いつもなら球磨と北上が晩飯に迎えに来るわけだが、今日はいつもに比べてやや遅い。鎮守府にいることは分かりきってたから、別段心配はしなかったけど。
「ハル〜。晩ごはん食べに行くクマ〜」
「ハル兄さ〜ん。行くよ〜」
「兄さんはやめるクマ」
店の入り口が開いてカランカランと音が鳴り、いつものごとく球磨と北上の声が聞こえてきた。北上の聞き捨てならないボケには球磨が突っ込んでいたので、おれは余計な波風を立てないことにしておこう。
「おつかれ。今日はまた遅かったなぁ」
「今度行われる合同作戦のブリーフィングがあったクマ」
なるほどね。提督さんが午前中に上とバトッてたやつかな。その後3人で提督さんの料理に舌鼓を打ちながら、その合同作戦とやらの話を球磨と北上から聞いた。なんでも夜に敵の怪物どもに戦いを挑む、近隣の鎮守府総出撃の一大作戦らしい。
「なんか川内が大喜びしそうな作戦だな」
「そうだねー。川内すごく大はしゃぎしてたよ」
『あそーれや! せ! ん!! あはーいや! せ! ん!!』
あの妖怪夜戦女が狂喜乱舞している様が目に浮かぶ……フと思ったが、こいつらは夜戦は得意なのだろうか。
「お前らはさ、夜戦はどうなの?」
「北上は夜戦は大得意だクマ」
「球磨姉だって別に苦手ってわけじゃないじゃん」
「そうだけど北上には負けるクマ」
「夜戦演習で散々私を張り倒しといてよく言うよ……」
こいつらも夜戦は得意なタイプか……なら心配はいらないのかな?
「んじゃ特に心配することはなさそうだな」
「そうでもないクマよ? 次の作戦は隼鷹以外の全員が出るクマ」
「ほう」
「ついでに言うと、気を抜いたら即アウトなのが夜戦だクマ」
『アウトって何だよ』と聞こうとしたが、それが轟沈を差していることに気がついた。ほんの些細な判断ミスが死に繋がるデッド・オア・アライブってわけか……。
「とはいえビス子や加古たちも一
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