後編
2.合同作戦
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れが絶品のコーヒーだということが分かる。口に含んでみると、その素晴らしい香りが鼻から抜けていき、やはり想像どおりの……いや想像以上に素晴らしいコーヒーだ。
「うまいなー隼鷹」
「だろー? コーヒーなら提督にも負ける気がしないよ」
「だな。料理全般なら俺も自信があるが、コーヒーに関しては隼鷹の方が旨い」
提督さんは実にうまそうに隼鷹のコーヒーを楽しんでいた。その後、すっかり冷静になった提督さんはコーヒーカップを起き、至極真剣な表情で俺を見つめた。
「ハル。今日来てもらったのは他でもない。今後のことで話がある」
「今後?」
「ああ。今後のことだ」
提督さんの話というのは、バーバーちょもらんまの今後についてだった。提督さん曰く、バーバーちょもらんまはもはやこの鎮守府にとってはなくてはならない存在といってもよいらしく、同様におれもまた、この鎮守府のメンバーとして、必要不可欠な存在だとみんなには認識されているらしい。
「そんなわけで、ハルには感謝してる。来てくれたのがハルで本当によかった」
「はぁ。ありがとうございます」
「んで、重要なのはここからだ」
次の言葉は、俺にとっては予想外だった。口に出す前の提督さんが少々まごついていたあたり、恐らく提督さん自身も、最後まで言うか言うまいか迷ったに違いない。
「ハル。正直に答えてほしい。この鎮守府に来て、後悔はしてないか?」
「? どういうことですか?」
「この前暁が轟沈したろ?」
「はい」
「あれでハルは少なからずショックを受けたはずだ。今までとは比べ物にならないほど、死というものを身近に感じたはずだ」
確かに提督さんの言う通りだ。暁ちゃんが轟沈したあの日、おれは改めて、この鎮守府という場所か、いかに『理不尽な死』に近い場所であるかを実感した。病院のような納得のいく死ではない。ある日突然、理不尽に命をもぎ取られる死だ。
「また誰かが轟沈するかもしれない。あるいはこのオンボロ鎮守府のことだ。ひょっとすると敵に攻めこまれるかもしれない。そうなると、次に暁と同じ目に遭うのは、ハルかもしれない。ハルではなくとも、大切な誰かかもしれない」
「……」
「奇しくも今日、この鎮守府に新たな作戦命令が下った。今のこの鎮守府からすれば、過酷すぎる任務だ。誰かが轟沈するかもしれない。もしかすると、作戦参加者は全滅するかもしれない。それほどまでに過酷な任務だ」
「……何が言いたいんすか?」
珍しく、提督さんが本題に入らない。よほど次の言葉が言い辛いに違いないようで、提督さんはテーブルの下に手をやり、握り拳を作っていた。その手に力が篭っているのが、俺が見てもよく分かった。
……ほーん。なんとなく提督さんが言いたいことが読めてきた。もしその通りなら
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