第11話 誘い
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
サソリは先日に追い詰められた不良との戦闘を思い出していた。
確かに幻術を使っていたが、それ以上に頭から光る線のようなものがあり建物の外にまで伸びていたことを昨日の記憶から掘り出した。
もしかしたら、レベルアッパーという奴の影響か……
そんな仮定を立ててみる。
御坂は、車椅子を持ち出してくるとサソリを椅子に乗せて、移動させた。
病室を出るために御坂が引き戸を開けて廊下に出ると……
「あら!?どちらへお出かけですかね。サソリさんと御坂さん」
サソリの担当看護師だ。
意識不明の重体で運ばれて来たサソリには、外出許可が撤回されており、許可届を出しても受理されることはなくなった。
「え、えっと……」
御坂がしどろもどろで看護師に対しての言い訳を考える。
「さ、サソリが急にトイレに行きたいって言って……こんな身体だから補助が必要かなあって」
咄嗟についた嘘だ。
「それでしたら、ナースコールを押してくれれば専門のスタッフが対応しますよ。常盤台のしかも女性の方に頼まなくてもよろしいです」
ぐぬぬぬ
確かにこのままでは、変な二人組としか映らないだろうな。
笑顔で看護師が対応しているが、明らかに殺気のこもった言葉と端々からほとばしる威圧感に御坂は尻込みした。
オーラだけで炎に包まれた巨人が見える。
「……はぁ」
サソリは大義そうにため息をつくと
「痛たたたた、朝から目が痛いぜ」と明らかに棒読み感満載のセリフを言い出して、眼を手で覆った。
「全く!安静にしていれば事は済みますのに、さ、見せてくださいよ」
まあ、目の前で痛がっている患者がいたら確認しないわけにはいかないので看護師はサソリの包帯を取っていく、サソリの紅色に光る巴紋が姿を現した。
写輪眼!
「あ……」
チャクラの込められた瞳が看護師の眼球から直接脳内へと流れていき、看護師の頭の中で幻が流れていく。
ケガがすっかりなくなり、元気に笑顔を見せているサソリが幻として浮かんだ。
「はい……そのくらいのケガなら大丈夫ですね……あとは私でやっておきますから……外出を許可します」
という言葉を引きずりだした。
サソリはニヤッと微笑んだ。包帯で軽く眼を隠すと御坂に合図を出して連れていけと催促する。
眼は少しだけ濁った気がした看護師を不思議そうに見上げながら御坂が訊く。
「何したの?」
「ちょっとな。いやー便利な眼を手に入れたもんだぜ」
少しだけ機嫌が良くなった。
「それにしても……お前、下の世話はまだいいや」
後ろのハンドルに手を掛けた御坂に向かって、真顔で少々こっ恥ずかしいことを言い出した。
「ぶっ!!アンタねー、そういうのは聞き流すのが常識でしょ!」
今回はケガと黒子に免じて叩くのは勘弁してやるわ!
「そうか、安心した」
御坂に車椅子
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ