暁 〜小説投稿サイト〜
Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
外伝黒の修羅 後編(2)
[5/6]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
う素人考え丸出しの最悪の類の武器だ。
「―――」
『使わないのかい?』
「使わないほうがマシだ。折れた74式のほうがまだ役に立つ。」
そう口にして弾薬の補給のみ行うように補給コンテナを操作する忠亮。慣れない武器を扱えば致命的な隙へと繋がり命取りになる危険がある。
無いよりマシだ、という思考が戦場では命取りになることはままよくある話だ。戦場で入手した武器を自分がどの程度使えるのか、というのは非常に重要となる。
『すまない、帝国軍からも物資を融通してもらえれば良かったんだが……』
「ふん、所詮は徴兵を主力としている軍隊だ―――装備程度ちゃんとしなければ犬死だらけとなる、仕方がないさ。」
幾ら数の劣勢と兵力の損耗を抑えるためとはいえ……徴兵は
費用対効果
(
コストパフォーマンス
)
が悪すぎる。
徴兵と聞くと半ば奴隷みたいな印象を受ける間抜けが居る。だが、それは大きな間違いだ。
徴兵にも給与は支払われるし、衣食住も補給される。徴兵とは兵士として就労するということだからだ。
しかし、そういった即席の兵士はほぼ役立たずだ。彼らの中にはあるのは多くは死にたくないという思いだ。
死を覚悟して臨んだモノでない人間に、死の恐怖に打ち勝ち勝利と生を掴み取ることは多くの場合不可能だ。
そして何より、仮にその心構えが在ろうと、最新機器を扱った戦術に対する練度が雲泥の差だ。
なのに本土では、武家の人間の徴収が斯衛軍でさえ始められていると聞く。しかし、それは多くの悲劇を生むだけとなるだろう。
ゆえに、だから――――ここで踏ん張らねばならない、年端も往かぬ子供らが戦争に殺されるなどあってはならない。
「往けるか……瑞鶴」
愛機に語り掛け、操縦桿を握り軽くフットペダルを踏みしめる。
ジェットエンジンの回転数がそれに答え上がってゆく。
弾薬に燃料は補給したが、機体の血液であるオイルの状態や、駆動系の損耗は徐々にだが確実に悪化している。
だが、それでも未だこうして応えてくれている。その瞬間だった。
『な……っ!?』
通信ウィンドウに映る甲斐が息を呑んだ。
「……これはっ!?」
それに釣られ自身も戦域データリンクに目を通す。そして戦慄した。電子線装備において貧弱な第一世代戦術機ではデータリンクが十全には機能しない、重金属雲による電波障害でそれは更に深刻となる。
―――――故に、それを見逃してしまった。
『後方の国連軍が壊滅……何があったんだっ!?』
「まずいぞ甲斐!!」
後方の国連軍が壊滅した、それ自体は緊急事態だ――――しかし、それよりも尚危機的な状況が差し迫っていた。
後方の国連軍という、味方を前線に張り付ける役目の部隊が壊滅して
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ