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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
外伝黒の修羅 後編(2)
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する白2機、黒一機の第一小隊もまた突撃砲を射ちながら左方へと噴射滑走を行う。
『フォックス2!!』
白の瑞鶴の小隊がキャニスター弾を撃つ、迫りくる戦車級へと榴弾の雨が降る。
赤い体躯が爆ぜ跳び肉片へと変わる。
ちょうど他の小隊が移動を完了し三方包囲を完了したところで正面防御を請け負っていた白4機の小隊がキャニスター弾を発射、榴弾の暴雨を降らし小型種を一掃する。
『よし、120mmは十分だ。掃討戦に移行する!』
BETAを3方向から包囲した時点で勝利はほぼ確定だ。
要撃級・突撃級といったBETAの主戦力となる大型種は前方からの攻撃には強いが、側面・後方からの攻撃には酷くもろい。
こうして三方向から包囲射撃を行えば、1方向がその甲殻によって銃弾を弾かれようと残りの二方向からの攻撃で容易に排除が可能だ。
何も馬鹿正直に正面から殴り合う必要はない―――この三方向からの包囲殲滅フォーメーションをイヌ科の動物の狩りを元に考え出したのは忠亮だった。
常に三方向に位置する戦術機が有機的に立ち位置を変えながらもフォーメーションを維持する。
そして、常に相互に二方向がフォローできるため、支援砲撃が薄かろうと生存性を向上させる事が出来るようになっているのだ。
本人の協調性は皆無だが、こと戦術の立案に関しては鬼才。
恐らく、もっと実証が進めばこの斯衛軍の一部隊程度ではなく、もっと多くの部隊で採用され戦果を発揮するだろう。
エレメントが最小単位……という常識も覆される日も近いかもしれない。
(必ず、生き残らせないとダメだ………例え、あの人自身が望んでいないとしても!)
武道の真髄の一つ、それは連携を極めること。
個にして連携を極めれば多を圧倒することも可能であり、多対少の集団戦闘においても彼我戦力差を覆せる。
『隊長、掃討完了しました。』
『よし、消耗の激しいやつは後退して補給を行え。残りは周辺警戒だ。』
彼の戦術眼は人類のこれからに絶対に欠かせないものだ―――だから。
「……中佐、よろしいでしょうか?」
『どうした伊上少尉。』
秘匿回線を山吹の瑞鶴に繋ぐ、これでこれからの会話は周囲には聞こえない。
―――誰よりも前で戦っている彼にも。
『一つ、お願いがあります。』
『―――――聞こう。』
「―――補給を頼む。」
乾わき、こびり付い大量の返り血を装甲につけた闇黒の瑞鶴が大地に白の瑞鶴たちが防御している陣地に着地する。
殆ど消費した予備弾倉に歪み切れなくなった長刀、推進剤。如何にジェットエンジンからの供給があるとはいえ底を尽きつつある電力。
これ以上の戦闘は機体も衛士も限界だったのだ。
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