新部隊-ウルティメイトフォースゼロ-
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ら白い目で見られる。そんな悪い予感がよぎり、しどろもどろになっていく。
「私は別にその部隊名で構わないと思いますわ。かつての誇りある高名な騎士団の名を受け継ぎ、それに恥じない貴族として精進していく。よき心がけです」
決して悪意があるわけではなく、寧ろ相手を称えている言葉なのだが、かなりプレッシャーが降りかかる言葉がかえってギーシュの不安を煽らせ、小さな後悔さえも呼び起こしかけた。
「でも、水精霊騎士隊の名を継ぐに相応しい部隊になれるかどうかなんてわからないし、何より他国や内部の貴族たちからの視線が気になります。やはりここは、違う部隊名を考えるべきだと思います」
レイナールが冷静に考えて意見を出す。違う部隊名を出した方が、安心感を持てるという判断だ。
「……じゃあ、こんなのはどうだ?一つ浮かんだ奴があるんだけど」
「何?」
ふと、サイトが手を上げて一つ案を上げる。それを聞き入れる姿勢をとったルイズが尋ねる。
「部隊名は…『Ultimate Force Zero(ウルティメイトフォースゼロ)』、略して『UFZ』」
「ウルティ…えっと、なにそれ?」
あまり聞きなれない単語を並べたサイトのアイデアに、尋ねたルイズもそうだが、全員が困惑した様子を見せた。
「その『ゆうえふじぃ』とやらの意味はなんだ?」
ミシェルも会話に加わってサイトが考えた名前の理由を尋ねてきた。
「そうですね…俺たちって、何かとウルトラマンたちに助けられてきたでしょ?でもいつまでも助けに甘んじ続けるわけにいかない。俺たちもいつか必ず彼らに追いついて、ともに肩を並べる戦士となってみんなを守る。そういう思いを込めてみたんですよ」
『…へっ。サイトの奴、デカいこと言ってのけやがる』
それをサイトの中で聞いていたゼロから、笑みを浮かべたことがうかがえる声が漏れだした。
「ま、まぁ、名前としては悪いものではないな。よし!では部隊名はそれで行こうじゃないか。君たちも異論はないかい?」
「僕は構わないけど…」
「うーん、他に案もないし、いいんじゃないかな?」
(なんか地味に微妙な反応だな…)
サイトはレイナールとマリコルヌの戸惑い気味の反応に少し傷ついた気分だった。彼らからすれば未知の異国の言葉から名づけられた名前だ。あまり強く反応することは無理だ。
「…陛下、そろそろ時間が」
「あら、もうそんな時間でしたか」
アニエスからこの会談の時間が限界に近づいていることを知らされたアンリエッタは、一同に向けて口を開いた。
「そろそろ時間ですね。私は政務のためにそろそろ行かなければなりません。みなさん、お疲れ様でした。
学院の皆様も星人にかどわかされ、そのうえで私たちのお話にもおつきあいさせていただいたいことでお疲れでしょう。今日は皆さんにお城にお泊りくださいませ」
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