機動戦艦ナデシコ
1265話
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全に失墜する。
そんな状況でになれば、火星へと向かうスキャパレリプロジェクトとかいうのは確実に失敗するだろう。
「分かった。なら信じさせて貰うよ。……で、そっちが交渉をしている間、俺はここで待機していればいいのか?」
『……そうですね。そうして貰えると助かるのですが、体力的に問題ありませんか? もし出撃するようになった場合、アクセルさんが疲れていると大変なのですが』
「その辺は問題ない。コックピットで待機するくらいで音を上げるような、情けない体力はしていないからな」
サーヴァントとやり合えるだけの体力を持つ俺が、もしコックピットで待機しているだけで疲れたとか言ったら笑いもの以外のなにものでもない。
ああ、でも精神的な疲れとかならありそうだな。
『いえ、アクセルさんだけにそんな厳しい事をさせられませんから、降りて待機していても大丈夫です。ただ。機体からあまり離れない位置にいて下さいね』
『艦長、いいのか?』
艦長の言葉に、ゴートが確認するように尋ねる。
……いたんだな。ゴート。全く喋らないから、すっかり忘れてた。
『提督、それで構いませんね?』
『ふむ、このナデシコは君達の艦だ。艦長の君が判断した事に、私は逆らわんよ』
提督とは言っても、ムネタケではなく老人の方の提督が艦長に頷く。
えっと……誰だったか。そうそう、フクベだ。
ムネタケの方が連合軍から派遣されてきた提督なら、このフクベという提督はネルガル所属の提督だ。
……艦長がいる状況で提督が何の役に立つのかは分からないが、多分アドバイザー的な役割なんだろう。
『そういう事で、アクセルさんはミロンガ改にすぐに乗れる位置で待機していて下さい、あ、アキトとヤマダさんもそんな感じでお願いします』
『ダイゴウジ・ガイだ!』
既にお馴染みになったと言ってもいいやり取りを聞きつつ、俺は艦長の言葉に甘えさせて貰ってコックピットから降りる。
実際問題、俺の体力とかを考えるとコックピットに座っていても全く問題がないのだが、迂闊に俺の異常性を見せる訳にはいかないしな。
それに、待機していても体力の問題がないからといって、ずっとコックピットに座っていれば退屈もする。
普段であれば空間倉庫から取り出した雑誌やら何やらで暇潰しが出来るのだが、ナデシコの艦内でそんな真似が出来る筈もない。
いざとなった時であればまだしも、今は別に何かある訳でもないし。
そんな風に考えていると、再び新しい通信映像が展開される。
『いい、アクセル。連合軍との交渉には私も出るわ。あんたの自由は何としてもこっちで保証するから、くれぐれも……く・れ・ぐ・れ・も、妙な真似はしないようにね』
そこに映し出されたエリナが念を押すように告げてくる。
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