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転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1265話
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は出来ないというのもあるんだろう。
 ……さっきの通信を聞く限りだと、娘可愛さの親馬鹿ってのもありそうだが。
 交渉で頑張るだろう艦長やプロスペクターには悪いが、いっそ俺が行って向こうの艦を制圧してしまうってのは……いや、駄目か。
 ネルガルが連合軍との関係を悪くしたくない状況で俺がそんな真似をしたら、間違いなく関係は悪化する。
 ただ、この交渉のおかげでこっちも迂闊な動きが出来なくなったのも事実。
 そもそもマスターキーを抜かれている以上、ナデシコは現状から動く事は出来ない。
 向こうにとってもこっちを監視しやすいってのはあるんだろうし。

『では、二十分後に待っておるぞ。ユリカの好きなケーキもたーっくさん用意しておくから、楽しみにしているといい』
『はい、お父様。では二十分後に』

 通信が切れたのを確認し……改めてブリッジへと通信を送る。
 ミロンガ改のパイロットの俺が向こうの提督に顔を見せるわけにはいかなかった為、こうして大人しくしていたのだが……これだけはきちんと確認しておく必要がある。

「プロスペクター、話は聞いていた。それでお前達は俺を売り渡すつもりはあるのか?」
『まさか。全くそんな事は考えていませんよ。そもそも、契約を結んだ以上アクセルさんはナデシコのクルーです。更に言わせて貰えば、現状ナデシコの最高戦力でもあります』
『待てよ! ナデシコの最高戦力だぁ? そんなのは俺が……』
『はいはい、ヤマダさん。その辺にしておいて下さい。今はちょっと重要なお話をしていますので』
『ヤマダじゃねえっ! ダイゴウジ・ガイだ!』

 そんな風に叫ぶヤマダをそのままに、プロスペクターは再び俺との話を再開させる。

『とにかくですね、これからナデシコが火星に向かう上でアクセルさんのミロンガ改というのはこれ以上ない程に大きな戦力となります。まぁ、機体性能や機体の大きさが違いすぎてエステバリスと共同戦線を取れないのは惜しいですが……それでもアクセルさんとミロンガ改というのは絶対に必要です』
「つまり、俺を売るつもりはないと?」
『ええ、それは断言させて貰います。最悪の場合、それこそ連合軍とやり合う事になったとしてもアクセルさんを向こうに渡すつもりはありませんので、ご安心下さい』

 プロスペクターの口から出たその一言に、ブリッジの中から感嘆とも驚きともつかない声が上がる。
 当然だろう。連合軍との関係を悪化させたくないネルガルの人物として、この選択肢は驚くべきものだったのだから。
 ……なるほど。良くも悪くも企業人。契約は絶対ってところか。
 これなら安心して見ていてもいいか?
 ここまで言い切った状態で、もし俺を連合軍に売ろうとしようものなら、ブリッジを始めとしてこの通信を聞いていた者達からの信頼は完
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