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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第222話 霜巨人の最後
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を見開き―――……顎が、かくーーん、と落ちていたのだから。
背後より、大きく、大きく、進化? を繰り返すかつて、フレイヤと呼んでいた美女。
それはこの天井高く、広大ささえ思える極広の部屋の中が小さく感じる程の変貌であり、場にいた全員、スリュムも例外ではなく、思わず視線を向けたのだ。全身に雷光をまとい、腕や脚は大木の様に逞しくパンプアップ。見る男を魅了する豊満だった胸は、更に大きく、……固そうにガッチリ。隆々と盛り上がっている。スリュムをも上回っている程だ。
状況を全くわかっていない者達、特に男性陣にとっては本日、いや ここ最近を含めても、最大級の衝撃。……最大最凶のショックを与える現象だ。
俯けられたままの顔、ごつごつとたくましい頬と顎からは、これまた 逞しい ばさりと金褐色。――その部分だけ、フレイヤの名残が残っているのだが……それは、大きな大きな《ヒゲ》。
「オッ……」「サンじゃん!!」
まるで、息を合わせたかの様に、セリフを繋げる男2人。大絶叫故に 狙ってたとしても、これ程まで離れた所で 合わせるのは、非常に難しいだろう、とどうでも良い感想を浮かべたリュウキ。
「盗まれた宝を取り戻す為に、単身潜入するのは、フレイヤ―――ではなく、こいつだった、って事だ」
レーヴァテインが、その雷に反応するかの様に、ぱりっ とスパークしたかと思えば、つい数十秒前までは《Freyja》と記されていた文字列が、変化し《Thor》となった。
例え、神話伝承、北欧神話等の知識が無かったとしても、《トール》の名は それなりに聞き覚えがあるだろう。
様々な世界において、その名は広がっており 雷と連想させやすい。その神の持つ武器、或いは必殺技名で《
裁きの雷
(
トール・ハンマー
)
》ともなれば、かなりメジャーだろう。
神話によると正式名称は、《雷鎚ミョルニル》。
北欧神話に於いては、《主神オーディン》や《道化師ロキ》と並んで有名な《雷神トール》。ロキが鍛え上げた剣に、強く反応した理由も、頷けるものだった。
「卑劣な巨人めが! 我が宝《ミョルニル》を盗んだ報い、今こそ贖ってもらおうぞ!」
右手に持つ、先程とは比べ物にならない程、巨大化した黄金のハンマーを振りかざした。
そして、スリュムも負けてはいない。両手を凍らせる勢いで、息吹を吹き込むと、そこには氷の戦斧を生み出していた。
「貴様ァァァ!!! よくも儂を謀ってくれたな!! その髭面、切り離し、アースガルズに送り返してやるゥゥゥ!!」
その怒りは、恐らく リュウキが神の剣を持っていた事や、シノンに顔面火矢を打ち込まれたそれらに、相乗させている
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