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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第222話 霜巨人の最後
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ぁぁぁぁっ!!」
「せぇぇぇいっ!!」

 クラインの言葉と同時に、他の皆も一斉に飛びかかった。

「羽虫共がぁぁぁ!!」

 シノンへの一撃も防がれ、リュウキの挑発も返す事が出来なかったスリュム。
 スリュムは、完全に怒りのままに、狂戦士(バーサーカー)の様に、ただただ暴れ狂うのだった。















 その頃、キリトはフレイヤに言われた《一族の秘宝》とやらを捜索していた。
 
 なんでも、両手を軽く広げたサイズの《黄金の金槌》であるとの事だ。
 それを訊いた当初は、よく判らなかったからキリトはもう一度訊いたが、間違いないとの事。
 そして、急いでその金槌とやらを探したのだが、まるで見つからない。それも当然だった。この部屋の中には、莫大な黄金の山が存在している。こう言う状況でも無ければ、『金山を見つけた〜〜〜』と、踊りだしそうな勢いだが、生憎そんな気分にはならないどころか、『量が多すぎる!』とクレームをつけたい気分だった。

「(くそっ、はやく見つけないと――っ でも、どうやって……!?)」

 この山の中から1つだけを見つけるなんて、超能力染みた力などない。
 こう言う時こそ、《眼》を持つ勇者様、なのだが 生憎と今彼は取り込み中の様子だった。何をそんなに怒っているのか、判らないが最初よりも明らかに怒りの形相のスリュム相手に立ち回っている。そんな中に、ノコノコと入っていって『ちょっと探すの交代だ!』なんて、格好悪い真似はなかなか出来る事では無い。悠長な事を言っている場合じゃないのも確かなのだが、時間的余裕が無いと言う理由もあった。リュウキのいる あちら側にまで、スリュムの攻撃をかいくぐりながら、行くよりは、地道に探す方がまだ効率が良い。

「……ユイ?」

 最後に、縋る様な気持ちで、頭上のユイに声をかけたのだが、帰ってきた答えは首を横に動かす気配だった。

「……ダメです。パパ。マップデータもじゃキーアイテム位置の記述はありません。恐らく、部屋に入った時点でランダム配置されてるのだと思われます。……全てが飾りではなく、貴重アイテム、武器等になってますから、この中から、指定武器だけを見つける……と言うのは、お兄さんの《眼》でも、無理があると思います。……ですから、問題のアイテムかどうかは、フレイヤさんに渡してみないと、判定ができませんっ」
「そうか………」

 どうやら、頭上のユイは、リュウキに頼ろうとしていた心までお見通しだったのだろうか……、或いはユイ自身がリュウキを信頼して、訊いてみようと思い、検証した結果なのか……、後者であれば、キリトにとっては良いのだが、今はその事を考えるのをやめた。
 考えなければならない事があるからだ。少ないヒントを元に、
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