第四十六話 福島少佐!いきなりバレンタイン!!その十六
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「勝ったって実感あるぜ」
「いつもそう言われる時が最高なんだよ」
「俺達の勝利で全世界が舌打ちすえるのを見るのがな」
「もう堪らないぜ」
「下衆だ」
「下衆過ぎる」
その全世界への突っ込みだ。
「人間ここまで腐るか」
「腐り過ぎだろ」
「というか何であんなにチョコが集まったんだ」
「何とか作戦って言ってたけれどな」
「ここだよ、ここ」
「ここを使ったんだよ」
二人は自分達の勝利に歯噛みする全世界の人達にそれぞれの頭を右手の人差し指で指し示しながら話した。
「頭な」
「頭に人間じゃすぐには確認出来ない光を放つ様に細工していたんだよ」
「それでその光でシグナル送ってたんだよ」
「俺達にチョコ送れってな」
「人間の目じゃすぐに確認出来なくてもな」
「視界にはちゃんと入るからな」
「そこから頭に入るだろ」
目からダイレクトにだ。
「それでサブリミナル効果を与えてたんだよ」
「今回はそれ使ったんだよ」
「サブリミナルな」
「これが俺達の今回の作戦だったんだよ」
「文字通り頭を使った作戦って訳さ」
こう誇って言うのだった。
「どうだ、凄いだろ」
「俺達の戦いは全世界にテレビやネットでいつも実況生中継だからな」
「サブリミナルには最適だぜ」
「チョコレートも集まるって訳さ」
「謎は解けた」
小岩井さんは金田一君の様にして言った。
「最低の人間達が行った最低の行いだ」
「最低でも勝てばいいって言ってるだろ」
「だから勝てば官軍なんだよ」
二人のスタンスは微動だにしない。
「だから今回もよし」
「ノープロブレムだろ」
「さあ、じゃあいつものあれやるか」
「勝利の名乗りをな」
「勝手にしろ」
小岩井さんの返答は実に忌々しげなものだった。
「精々な」
「ああ、じゃあやってやるぜ」
「今からな」
二人も応えてだ、そして。
いつも通り白波立つ海の真ん中にある岩場の上にそれぞれ腕を組んでポーズを付けてだ。後ろに旭日を背負って言った。
「正義は勝つ!」
「姦賊滅びよ!」
今度は新選組の人達が浄土から出て来てだ、二人に斬り掛かって来た。
「ここで天誅を与えてやる!」
「そこになおれ!」
「この天然理心流の錆となれ!」
「安心しろ、苦しませぬ!」
「日帝衆、助太刀するぞ!」
蘇ってきて言うのだった。
「下衆な行いも大概にせよ!」
「この虎徹を受けよ!」
「おい、近藤勇さんかよ!」
「土方歳三さんもいるな!」
写真そっくりである、五稜郭で散る直前の。
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