RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 三話「その名は飛影」
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
こと言わないで下さいよ?」
大剛が酔っ払い相手にムキになった。
「まぁ……いつも空ばかり宥めてボーっとしてるのは、おそらく誰かのことがとても印象強く根付いていることじゃろう? そうでなくては、周囲に集中などできるはずもない。おそらく偶然の出会いが、この若人にとって『恋』というものを与えてしまったようじゃな?」
と、爺さんは説明し終えると再び酒を飲み始めた。
「おお……珍しくまともなことを喋ったぞ? この爺さん」
「酒を飲んでると、逆に真面目な性格になんのかな?」
二人は、そんな爺さんの態度を見て驚く。
「とりあえず、治療法は簡単じゃ? もう一度その子に会って白黒ハッキリさせればそれでよい?」
「けど……もし、フラれちまったらどうすんのさ?」
と、大剛が問う。
「そん時はそん時、酷く落ち込むか立ち直るかはこの若者次第じゃよ?」
「もし、立ち直れなくなったらどうなるんだ?」
弾はその時のディスクを聞く。
「まぁ……徐々に回復させるよりほかあるまいて?」
「……外の世界ねぇ?」
大剛はため息をついた。仕方なく、二人は未だにボーっとしている玄弖を連れて診療所を後にした。もちろん、玄弖の財布から診察料を抜いて。
「ったく、恋の病なんてする奴はするんだな?」
弾は、自分たちに担がれる玄弖を見て呆れてしまった。
「仕方ないよ? したもんはしたもんで……」
「けど、どうするよ? こんなことじゃあ、いつまでたっても玄弖はこのまんまだぜ? こりゃあ、かなり重症だ」
弾は、玄弖の表情を見た。
「また、外の世界へ行かしてみるか?」
「つい最近行ったばかりだからな? また次行くと、本当に疑いをかけられちまうぞ? もし行くんなら……次こそコイツが外へ行くって時は、このエリア14ともおさらばってことになるな?」
「そうか……」
エリア14は、どちらかというと危険で危なっかしい場所ではあるが女尊男卑が全く及ばないことを感じれば、外と比べたらいくらかマシであった。しかし、目立ったことをすれば命の保証もない。
「……なぁ? 弾」
ふと、大剛は訪ねる。
「あ?」
「俺たちも……コイツと一緒に外の世界で暮らしてみるって、どう?」
「何考えてんだよ? 第一、外の世界へ行っても満足に食っていけるほど甘くはないんだぞ? それにくらべて、ここなら、適当にやっていれば満足に食ってはいける」
「でも……俺たちだって、いつまでもこんな怖い場所で生活したくはねぇだろ?」
「まぁ、そうだけど……」
弾は黙った。彼には過去のトラブルが原因で外の世界を拒んでいる。
その後、二人が玄弖を彼の自宅まで担いでいくと、
「お! いたいた……」
なにやら、銃を持った兵隊のような男が玄弖の自宅へ彼を待っていた。
男は、このエリア14の統括者の巡回兵
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ