第3話 乗り越えるべき障害
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開けれないようになった。それを聞いてまた恋心が泣いていたと思う。この話をした後沙耶さんと華那先輩は仕事に戻った。恋心は昨日の夜からずっと看病してくれていて今日学校を休んだそうだ、そしてニュースで俺の事が取り上げられていたようだ。正直ちょっと悔しかった、不意打ちとはいえそれに対応出来なかった事に。まあ華那先輩も言っていたが今回の事件に関しては2人で解決しておくから響希君は絶対安静ねとの事で、それはそうだろうな目が見えないんだし。そして昼、目が見えないのでちょっと恥ずかしいが恋心に食べさせて貰った。ただそこを考慮してくれたのか、ただ部屋がここしか空いてなかったのか知らないが個室らしい、見えないが。昼食が終わった頃、ドアをノックする音が聞こえどうぞと声をかけた。あまり聞き覚えがあるような無いような車輪の音が聞こえた。
響希「もしかして弥生さんですか?」
弥生「よく分かりましたね。響希さんこの度は災難な事に、大丈夫ですか?」
響希「少し腹部の方に痛みは残りますが安静にすれば大丈夫なようです」
弥生「そうですか…良かったです」
響希「あ、そういえば紹介してませんでしたね、ええと妹の恋心です。それで恋心、こちらが弥生さんだ」
弥生「初めましてファーディナンド・弥生です。響希さんから良くお話は聞いております」
恋心「いえこちらこそ初めまして、藤原 恋心です。こちらも兄からお話は聞いております。聞いていたようにとてもお綺麗ですね」
弥生「いえいえ、恋心さんもお綺麗ですよ。私なんかよりも」
恋心「そんな事はありません。って、こんな事繰り返してたらキリがありませんね」
弥生「ふふ、そうですね…響希さん」
響希「なんですか?」
声の感覚から恋心が俺の右側、弥生さんが俺の左側に車椅子を寄せる。声は出していないが天道さんもいるのだろう、きっと弥生さんの後ろに立っているだろうな。
弥生「本当に無事で良かったです。ニュースで響希さんの事が出て意識不明の重体だと聞いた時はどうなるかと…」
と話しながら俺の手を握っているのがわかった。
響希「弥生さん…」
弥生「心配でした、両親と同じようにまた親しい人を亡くしてしまうのかと…思って…」
弥生さんは多分泣いていたと思う、出来る限り押し殺そうとしていたが少し泣き声が漏れていた。
響希「すいません、弥生さんご心配をおかけしてしまい申し訳ありません」
恋心「お兄ちゃん」
響希「ん?」
恋心「私も…お父さんとお母さん…いや2人よりも一緒に私のために…頑張っていた…お兄ちゃんが…」
恋心も泣いていた、そして俺の右手を握っていた。流石に俺も泣きそうだった。
響希「二人とも心配させてしまって申し訳ありませんでした。ただ…こんな俺でも、こんなに悲しんでくれる人がいて、泣いてくれる人がいて、不謹慎かも知れませんが嬉し
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