2部分:第二章
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第二章
「しかも可愛い」
「声にルックス必要なんですか?」
「才能はわかるにしても」
「まずは事務所に行ってくれ」
社長はルックス等についてはここでは言わなかった。そうしてだ。
伊藤と鰐淵にだ。実際にそのエイトビジョンに行く様に告げた。かくして二人はリアルで追い出されだ。エイトビジョンに入社したのだった。
事務所に来るとだ。二人は驚いた。何故なら。
声優は誰もが美男美女ばかりだったからだ。特に女性の声優達がだ。
「可愛い娘多いよな」
「ああ、アイドルみたいな感じだよな」
「小柄で可愛い娘ばかりって」
「何で声優にルックスが必要なんだよ」
「雑誌の撮影もあるし舞台もあるから」
こうだ。何処かホスト風の若い兄ちゃんが二人に言ってきた。典型的なサラリーマンの外見の二人にだ。見れば伊藤は腹がやや出て来ていて鰐淵の額は危険な兆候が見られる。まさに典型的な中年である。
その二人にだ。その兄ちゃんが言うのである。
「昔からね。声優さんってルックスも要求されるのよ」
「あっ、これは社長」
「はじめまして」
「宜しくね」
何とその兄ちゃんは事務所の社長だった。ちゃらちゃらしているが社長である。言うまでもなく八条家の人間である。
「妹のマネージャーさんだったわね」
「えっ、じゃあ副社長のですか」
「御子息なんですか」
「ああ、貴方達叔父さんとお母さんの会社から来たんだったわね」
社長は二人のことをここで思い出した。
「そうだったわね、確か」
「ええ、それにしても」
「ここは」
「声優事務所よ」
社長はお姉言葉で話していく。
「所属声優は系列のエイトプライズと合わせて百五十人はいてね」
「滅茶苦茶多いですね」
「大手とは聞いてましたけれど」
「社員も多いし。それで貴方達は妹のマネージャーだけれど」
「それでその妹さんは」
「一体」
「まず。妹が八条家の人間だってことは内緒よ」
社長は軽い調子だがこのことを最初に言ってきた。
「いい?妹ってコネとかそういうの嫌いだから」
「あっ、そうなんですか」
「そういう人なんですか」
「そう。だから芸名も八条じゃないから」
「じゃあどういう芸名でしょうか」
「妹さんの芸名は」
「今呼ぶわ」
本人を呼んで話すというのだ。そしてだ。
社長自らだ。社長室を出てそうしてだ。黒髪でだ。一五八程度の背のだ。黒髪をかなり伸ばしてストレートにしている女の子を連れて来た。
その娘を前に出してだ。社長は言った。
「新名英梨よ」
「その娘がですか」
「俺達がマネージャーをする」
「そうよ。この娘よ」
社長の妹のだ。その娘をだというのだ。見ればだ。
目は大きくかまぼこ型でありはっきりしている。目鼻立ちは全体的に整いしかも色白で
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