アイズ モンスタージャー
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「辛かったね……よしよし」
パルゥムの頭を撫でていると、レフィーヤも騒ぎを聞きつけてくれたのか、駆けつけてくれた。彼女に少女を任し、自分も追うとしよう。
「お待ち下さい冒険者様! これはあいつが落としていったメモです! お役に立つかは分かりませんが、持って行ってください!」
アイズは受け取ったメモを開く。それはイシュタルファミリアの管理する歓楽街の地図のようだ。一箇所にバツ印が書かれているので何かの集合場所かもしれない。
「ありがとう。凄く役に立ってる」
はい! と少女は笑顔になる。事件も終幕へと近づいていることをアイズは感じ取っていた。
地図の目印の場所まで行くと、先にベートが来ていた。
「シッ――見てみろアイズ」
指を刺した方向を見てみると、【魔物の壷】を持った男――ゲドと何者かが話してる。
「酒と薬をよこせ!! さもないとモンスターをけしかけるぞ!!」
ゲドは相手を脅しているようだ。しかし、その相手は呆れた顔で答える。
「やれやれ、もう壊れちゃったか……ん? へえ……」
気付かれた。一級冒険者である彼らの隠密技術も相応にある。それを見抜いた奴は一体……。
「ゲドさん。残念だけど、あんたとの付き合いはここまでだ。お迎えが来てるよ」
それだけ告げ、夜陰の中に消え入ってしまった。
「クスリを――ヨコセえええええええ!!!!」
ゲドは振り返ると召喚の呪文を唱える。もはや人目で分かる程、彼の眼は完全に狂気に侵されているようだ。
結局今回のモンスターも多少強化されてレベル4級になったとはいえ、またあの目玉モンスターだった為、魔石に姿を買えるのに20秒も掛からなかった。
モンスターを倒されたというのにゲドは口から泡を吹きながら、襲い掛かってくる。
「クスリ……! クスリ……!」
正気を失い、呟きながら、血走った、眼を周囲に向け、両手の五指を鍵にして、二人に掴みかかる。取り押さえるのは簡単だった。ゲドの成れの果てにアイズは勿論、ベートですらも哀れに思い、物悲しそうな顔を見せ、数十分後ギルドに身柄を引き渡した。
こうしてアイズの休日は終わりを告げた。
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