アイズ モンスタージャー
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度だけ行ったことがある。あの時もロキにファミリアのメンバーと一緒にだ。店名通り【豊穣の女主人】と負けず劣らず美少女揃い、料理も美味しくタッチ以外のサービスも良しとシル曰くライバル店で、確かに肩を並べるだけの実力を持つ……ただ一人強烈な個性を持つ店長を除いては。彼……いや彼女か?
それはともかく、その一点が原因で僅差で贔屓にしていなかった。ただ団員の中には巨乳の比率が高い妖精亭に赴くものも数多い。
件の店にに入る直前、見慣れた顔を見つけた。
「あれ? ベートさん?」
「ゲッ――アイズ!? なんでここに!?」
何故か同じレベル5の団員、狼獣人の【凶狼】ベート・ローガとばったり出会う。
「ベートさんも魔物の壷を探してるんですか?」
「あ――ああ、そうだぜ!? 奇遇だな! あんな危険なモン早く回収しねえとな!」
勿論、ベートはこの壷探しの騒動のことは知っていた。しかし、関わる気なぞ毛頭なく、アイズにフラれた哀しみを妖精達に癒してもらう為、出向いていただけである。当の本人は酒場のことはもう気にしていないので、二人の間には若干の温度差がある。
「いやあああん! モンスターよおおおお!!」
甲高いオネエの声。店長だ。今度も目玉モンスターが相手ではあった。けれど、こちらにはベートもいたし、先手も取ったので、蟲すら出されることなく、一瞬で片がついた。
「ゲドよ! ゲドがあのモンスターを呼び出しのよ!」
店長は体をクネクネ捩りながら原因の冒険者の話をする。アイズはあまり感情を出さないタイプである。しかし、ちょっとだけ――店長の名誉を傷つけないように言う。すこぉしだけ不快感があった。口はへの字、まゆげも八の字に曲がっている。
「ゲドォ? 誰だそりゃあ?」
「ソーマファミリアの冒険者よ。最近金遣いが荒くて、えらく情緒不安定だし、どうしたことかと思ってたら……」
「まだ遠くへは行ってないはずです。ベートさん、行きましょう」
「おう! 俺らの休日を台無しにした俺をたっぷりしてやらねえと気がすまねえ!」
「あいつは裏口から出て行ったわ! お願いね! ベートちゃん! アイズちゃん!」
急いで出ると、一人のパルゥムの少女が道先に倒れていた。
「大丈夫?」
「おい! そいつなんかほっといて――」
「――ベートさんは先に行っててください」
ぴしゃりと言い放ち、女主人でのような、気まずい一件がまた起きるいう不安から、舌打ちしながらもベートはゲドを追う。レベル5である彼の嗅覚なら追いつけるはずだとアイズは確信している。
「……冒険者様は行かなくてよかったのですか?」
「うん、それよりあなたの方が心配だから。ベートさんも強いし、大丈夫だよ」
「そうですか……実は先程壷を抱えた昔組んでいた冒険者様に突き飛ばされて……」
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