機動戦艦ナデシコ
1264話
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が……ミロンガ改だとこれが精一杯だ。
「悪いな、この機体だとこれが精一杯だ。もしどうしても殺したくないなら、俺の機体が出た時点で向こうに降伏勧告を送った方が手っ取り早いと思うぞ。向こうだって、サセボシティでの戦闘は把握しているんだろうし」
『……分かりました。艦長、いざという時はテンカワさんにお願いするしかないんですが、大丈夫でしょうか?』
『アキトならきっと大丈夫です!』
何か根拠がある訳でもないのだろうが、それでもテンカワなら何とかなると信じている艦長の言葉。
……ここまで無条件で期待されると、それに応えなきゃいけないって気持ちになるだろうし、テンカワが微妙に可哀相に思えるのはきっと俺だけじゃない筈だ。
そんな風に考えていると、映像モニタの向こう側からハルカの声が聞こえてくる。
『艦長、ドックの注水が完了したわ。いつでも出られるわよ』
『分かりました、では出発しちゃって下さい! もし何かあっても、きっとアキトが私を守ってくれます!』
いや、守るのは艦長じゃなくて、この艦、ナデシコだろ?
そんな風に思うも、きっと艦長にとってはナデシコと自分はイコールで結ばれているんだろう。
実際、艦長という立場から考えれば、決してそれは間違っていない。
『馬鹿ばっか』
そんな声がボソリと聞こえてくるが、これは確か……ルリとかいう子供の声だったな。
ああ、いや、子供じゃなくて少女か。
『はいはい、じゃあ出発するわ。いいのよね?』
『ええ。大丈夫です!』
そんな声と共にハルカがナデシコを動かしたのだろう。艦体が微かに揺れたのを感じる。
さて、後は外に出たら速攻艦の外に出て、連合軍が来ないように祈るしか俺には出来ないな。
いざとなればミロンガ改の力でどうとでも出来るとは思うんだが……
そしてナデシコの外の映像が映されている映像モニタには、海中が映し出されている。
そのまま数分が経ち……やがて海面へと浮上し、そのまま空中へと浮かび上がっていく。
それを確認し、荷物搬入口を開けて貰おうとした、その瞬間。
轟っ! という音が聞こえてもおかしくない程の巨大なビームがナデシコの先端を掠めて通り過ぎていく。
……どうやら向こうの方がこっちよりも行動が早かったか。
映像モニタに映し出されたのは、5隻の戦艦。
その戦艦がナデシコの方へと向かって急速に近づいてきている。
「どうする? もう狙いを付けられている以上、こっちがおかしな動きをすれば間違いなく撃ってくるぞ?」
ブリッジに通信を送って尋ねる。
実際問題、ミロンガ改とまともに戦えば向こうが不利なのは明らかだ。
だとすれば、ミロンガ改を出撃させないという手段を取るのが最も簡単で確実な方法だろう。
連
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