ファンディスク:神話と勇者と断章と
コラボ・クロスクエスト〜六絶神が言っていた〜
ターン1
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だろうか。
さて、そんな事を思っていたときだった。
「あ、あのっ」
清文は、自分達を呼ぶ声を聞いた。
見れば、小柄で、犬の尾の様にも見える髪型の少女が立っていた。清文は、その人物に見覚えがある。
「ユーリさん?」
「はい、お久しぶりです、セモンさん、コハクさん」
少女は、かつて別の世界で共闘したことがある、やはり別世界のSAOのプレイヤーだった人物、ユーリであった。たいへん美しい剣技を使う人物だった事を覚えている。紫色を基調としたコーディネートだ。
「久しぶり。……ランは?」
セモンが出した名前は、ユーリの恋人かつ、やはりセモンとも共闘した、強力なプレイヤー、ランのこと。二人で組んで行動していることが多いため、今日も一緒にいるのかと思ったのだが、姿が見えない。
「今日は私一人なんです。その、これに参加するために……」
「……?」
ユーリが自分の携帯端末を開いて見せてきたのは、何かの広告のようだった。
そこには、『VRバトスピ大会開催! 参加者募集!』と、これまた見覚えのある筆跡で書かれている。
「……この筆跡、温泉で見たぞ」
清文は頬をひきつらせる。なるほど、また奴らか。奴らなのか。
「しかし何でまた。ユーリさんじゃなくてランが出そうな雰囲気なのに」
「彼、こういうの苦手らしくて。でも勝負事だから参加したいらしくて……私が代わりに」
「難しいなそれ」
思わず口走る。
「あなたも大概よ、清文」
「うっ」
琥珀の呟きが突き刺さる。なるほど、覚えが無くはない。
「でも私、ルールが良く分からないので、どなたか知っているかたに教えてもらおうと思ったんですが……そうしたら、皆さんが経験者だそうなので、それで」
「なるほどね」
レクチャーして欲しい、と。
ううん、と清文は内心で唸る。正直な話、実は清文はそれほどルールに詳しくなく、最新のシステムに関しても不勉強なところがあるのだ。誰か代わりがいると助かるのだが……。
「丁度いい。笑里もルールを知りたいと言っていたところなんだ。ついでに教えよう」
「本当ですか!」
清文の後ろにいた秋也が進み出て、助け船を出す。秋也と陰斗は清文よりも詳しい。その内の一人である秋也が担当してくれるなら、間違いはないだろう。
「いいか? 陰斗」
「いーよ。ただ、僕はシングル漁ってくるから相手役は清文な」
「な!?」
唐突に話を振られて固まる清文。なにいってんだこいつ、といった目で陰斗を見る。
「じゃっ!」
そして次の瞬間には姿を消す陰斗。あの野郎……と、清文は内心でぼやいた。
***
「まず、トレーディングカードゲームという
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