暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
ファンディスク:神話と勇者と断章と
コラボ・クロスクエスト〜六絶神が言っていた〜
ターン1
[1/7]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「……なんでこんなことになってるのかしら」
「さぁ……?」

 セモンは隣に座るコハクの問いに、疑問符を浮かべることで答えた。ごめん分からない、と。

 目の前では、白銀の機械装甲を纏った蛇竜と、紫の装甲のヒトガタが、ブレスやら槍の一撃やらで攻撃の応酬を行っている。言うまでもなく、どちらも人間ではない。現実世界にも存在しない。つまりここは仮想世界。セモンたちにはよく馴染んだ、VRワールド。

「死にさらせUベルゼェェェッ!」
「そう簡単に破壊させるかよッ!」

 しかしちょっと常識と異なるのは、それらの怪物の後ろに、人間の姿が見えることだ。どちらもセモンにとっては一応見知った顔なのだが……その手には、セモンが知る彼らとは、大きく違ったものが握られている。

 蛇竜の背後の少年……リンも。
 ヒトガタの背後の青年……ダークも。

 その手には、剣ではなく──黒い、カードを持っていた。

 つまり、カードゲームをしているのである。

 問題はそれが、周囲のフィールドをぶっこわす程の一大戦闘になっていること。態々VR世界に来てまでやっていること。そして、膨大な数の観客の前で行われていることだ。

「思ったより人気があるんだなぁ……」

 セモンは呟く。

 彼にとっては以外だったのだ。

 この、2026年になっても──TCG、『バトルスピリッツ』が、取り合えずはユーザー人口を保っていたことが。

 そしてなぜか、VR世界で大会が行われていて、知り合い、しかし『別の世界の住人』が参加しているという、謎の状況が。


 ***


 その日、ギルド《聖剣円卓》一行は、珍しく現実世界(リアルワールド)の商店街に来ていた。基本的にVRMMO、特にALOの中で集まることの多い彼らである。この状況は、彼らを知る人々からすれば中々貴重な光景だろう。

「ごめんね、清文。荷物持たせちゃって」
「いいよ別に。琥珀の為だし」

 さらりといちゃつくセモコハ。後方で食えない笑顔と共に、陰斗が「末永く爆発しろ」と呟く。

 事の始まりは単純に、琥珀、笑里、刹那の三人の買い物に、それぞれ清文、秋也、陰斗が連れ出されただけだ。この事自体は。

 ──商店街のある一角で、陰斗が『ソレ』を見つけるまでは。

「いっけー!ジークヴルム! 【激突】!」
「うわぁ、スピリットが居なくなっちゃった……」

 一軒の店の入口。そこに置かれた長椅子で、一組の少年たちが、なにやらカードを広げて遊んでいた。様々なイラストが描かれたカードと、その上に置かれた、水晶のような石が特徴的だ。

「うっは、バトスピじゃん。こんなところでやってる人々に出会えるとは」

 後ろで陰斗が嬉しそうな声をあげる。

「お
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ