暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第一話 小伊坂 黒鐘のプロローグ
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会えますか!?」
必死な声で、真剣な眼差しで俺を捉える。
何がそうさせたのだろうか。
何が、彼女をそこまで必死にさせたのだろうか。
今の俺は、まだその意味を理解できない。
いつか、分かるのだろうか。
彼女には、何か期待させるものがあった……そんな気がした。
だから気づけば俺は、本心から頬を緩め――――
「ああ、絶対に会えるさ!」
また会えることを願って、俺は走り去った。
*****
その後、俺は街中にある有名な喫茶店/翠屋で軽い食事を済ませた。
事前に海鳴のオススメ店を調べておいた甲斐があったなと思うくらい美味しかった。
《マスター、そろそろ病院に向かわれてはいかがですか?》
「ああ、もうそんな時間か?」
《お昼はとっくに過ぎてますし、暗くなる前にご挨拶しておくべきでは?》
「……そう、だな」
アマネに心配され、病院へ行くように言われた。
俺はこの世界で住むに当たり、荷物以外に連れてきた人がいる。
毎日必ず会う約束をしているから、街をぶらついてから行こうかと思っていたけど……どうやら翠屋で相当時間を潰してしまったらしい。
街の散策はまた後にし、俺は病院の方へ振り向こうとした。
「きゃ!?」
「おっと!」
だが、気づかなかった。
目の前を黒い服とスカート姿の、金髪の女の子がいたことに。
彼女は正面からぶつかりかけた所、反射的に後ろに飛んだ。
スポーツでもやっているのだろうか、良い反射神経だと思った。
けど、気持ちまでは冷静にできなかったのか、足元が絡まって倒れかけた。
「――――っと、大丈夫か?」
「え……?」
だから俺は小刻みにステップを踏み、瞬時に少女の側面に回って肩を抱く。
思った以上に軽い少女に、俺は彼女が生きてるのか一瞬だけわからなくなった。
冷え症なのか、彼女の体温も低めに感じる。
そして怯えているのか、体が強ばってる。
「ケガはしてないようだけど……」
とは言え急に離してもまたケガをする可能性があるから簡単に離すこともできず、俺は彼女が我に戻るのを待つことにした。
《マスターは今日、女運が強いようですね》
《そんなこと言ってる場合か!?》
落ちつき、淡々と語るアマネに俺は反射的にツッコミを入れる。
確かに改めて思えば、今日は出会いの多い一日だ。
と、落ち着いて振り返りたいけど、今はそれどころじゃない。
「……おい、大丈夫か?」
「え……あ、あぁ、うん!」
呆然としていた金髪の女の子は、俺の瞳を見つめていた気がした。
し
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